きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比225円高の3万8536円と続伸。前週末のイスラエルの暴走モードによって世界の耳目を驚かせた中東リスクから労せずして立ち直った形となった。昼ごろに開示された日銀の金融政策決定会合の結果は3会合連続での現状維持となったが、マーケットはこれについては事前に100%織り込んでいた。国債買い入れ減額ペースを来年4月以降は、現状の半分である2000億円に縮小することも発表されたが、これは好材料には違いないものの、事前のアドバルーン(観測記事)が利いてきょうの全体相場への影響は限られた。

 足もとで日経平均は3万8000円台を固める動きにあるが、正念場となるのはもう一段上の水準だ。直近1年間でみて3万8000円台後半から3万9000円までのゾーンが累積売買代金の最も積み上がった水準で、3万8500円近辺に来ると売り玉が湧き出てくるような印象を受けるのは、そうした需給的な事情が関係している。言い換えれば売り方にとって3万8500円近辺はひとつの攻防ラインとなっている。逆にこの水準の売りをこなし切って3万9000円ラインも突破すれば、ショート筋の手仕舞いを誘発し、4万円大台復帰までそれほど時間を要さない可能性がある。

 カナダで行われたG7サミットについては、良くも悪くもトランプ米大統領の一挙一動に世界の視線が集中することになったわけだが、もとより2国間協議を主眼とするトランプ氏にしてみれば、このG7サミット期間中に関税問題に関する何らかの進展を最初から念頭に置いてはいなかったと思われる。全体討議の2日目に参加せず帰国の途についたのも、傍若無人というよりはトランプ流を貫いたに過ぎない。そうしたなか、今朝方に日米首脳会談を経て石破首相が記者団の質問を受けていたが、「双方の認識が一致していない点が残っている」というのは当然として、「日米双方の利益となることを前提に、交渉はパッケージとして考える」と玉虫色な回答を繰り返すのみで、何も前進がなかったということを代弁するような内容であった。米国の利益と日本の国益がトレードオフの関係にあるのは言うまでもなく、双方の利益を追求して落としどころを見つけるというのは理想論で、実際は困難を極める。自動車の関税問題が最大のヤマには違いないが、トランプ氏としてもここに関して妥協する姿勢はおそらく持ち合わせていない。これを承知で、参院選を前に言質を取られないための曖昧表現だったようにも思える。