男性用エステ店の客に「女の子が嫌がる行為をしたら罰金」と誓約させた上で、従業員に性的サービスを持ち掛けさせる「美人局(つつもたせ)」の手口で現金を脅し取ったとして、警視庁暴力団対策課は14日までに、恐喝と監禁の疑いで、いずれも職業不詳永井悠太(32)=東京都中央区晴海、金山浩樹(32)=同区日本橋=両容疑者ら男女9人を逮捕した。

 認否は明らかにしていない。

 警視庁によると、同様の被害を巡る110番や相談は、昨年は都内で1人だったが、今年は10月末までに約170人から寄せられるなど急増。被害総額は約3500万円に上るといい、同課が関連を調べる。

 同課によると、永井容疑者らは「ジャングル」「兎(うさぎ)の穴」など四つのエステ店で集客していた。表向きは性的サービスを禁止しつつ、風俗営業の許可を取得。合法の風俗店を装って摘発を逃れるためだったとみられ、グループ内でのやりとりに匿名性が高い通信アプリを使っていた形跡もあった。

 「体に触れるなど女の子が嫌がる行為をしたら罰金200万円を払います」などと書かれた誓約書にサインさせた上で、個室で女性従業員に性的サービスを持ち掛けさせていた。

 その気になった客が応じると、連絡を受けた永井容疑者らが部屋に乗り込むなどして恐喝。監禁、暴行をしたり、消費者金融に連れて行ったりして、「罰金」を払うように強要していた。支払いを求め、警察を呼んだケースもあったほか、自宅前で待ち伏せされた被害者もいたという。

 逮捕容疑は4〜7月、都内のホテルで性的サービスを受けた20〜40代の男性客4人に対し、「女の子が怒っている。妊娠しているかも」「違約行為だよ。誓約書に書いたでしょ」と恐喝。現金計約200万円を脅し取るなどした疑い。