Andrius Sytas

[ビリニュス/ワシントン 5日 ロイター] - 欧州各地で相次いだ国際小包の爆発は、米国行きの航空貨物便で爆発を引き起こそうと狙うロシアの計画における予行演習の一部だったと、複数の治安当局者が明らかにした。

リトアニア大統領の国家安全保障顧問は5日、ロイターの取材に対し、英国、ドイツ、ポーランドで7月に発生した国際小包配送拠点での爆発について、「北大西洋条約機構(NATO)加盟国を標的にしたロシア軍情報機関による非合法な暴力的作戦の一環だ。こうした作戦はエスカレートしており、インフラ設備の破壊や人命を奪う可能性がある行動へと重点が移りつつあることが分かっている」と述べた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4日、複数の西側治安当局者の話として、英中部バーミンガムとドイツ・ライプチヒのDHL拠点で起きた発火事件について、北米行きの航空貨物便や旅客便で火災を引き起こすことを目的としたロシアの作戦の一部だったと報じた。

米運輸安全局(TSA)は、この数カ月にわたり「米国行きの一部の貨物便について業界のパートナーと協力して国内外の航空会社に対する安全対策を強化した」と説明した。

ポーランド政府は10月、EU諸国や英国経由で米国やカナダに爆発物を送ろうと謀った疑いで4人を拘束したと発表。カナダ政府は5日、ロシアに対し「カナダ国民の安全と安心を脅かす行為は容認できない」と直接伝えた。