2失点完投で初の決勝進出を決めたエナジックスポーツの久

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 ◆九州地区高校野球準決勝 エナジックスポーツ4―2柳ケ浦(3日・別大興産スタジアム)

 エナジックスポーツ(沖縄)が創部3年目で初の決勝進出を決めた。エース久郄颯(2年)が2失点で今大会2試合目の完投勝利。打っても2安打3打点と、投打でチームを引っ張り初の決勝へ導いた。

 「ブルペンで思い切り投げたら狙い通りの所に行かなかったので、思い切り腕を振るよりは7割ぐらいの力でコントロールを丁寧に行こうと思って投げました」。この日は最速142キロの直球は抑え気味に制球重視の投球を見せ無四球で投げきった。被安打6だが2点目を失った7回に3連打を浴びたほかは連打は許さず「調子が悪い中でもコースを突いて抑えられた。配球を変えたり自分なりに工夫して考えて投げられたと思う。九州大会の中で成長してるなと思います」と久郄自身も手応えをつかんだ勝利になった。

 バットでも2回に右前打で先制点を挙げ、6回の犠飛、7回の適時二塁打と大事な場面で計3打点。「もともと打撃はいいんです。本塁打を打つ力はある」と神谷嘉宗監督が認める打撃センスを発揮した。「点を取られたので自分が点を返して自分を楽にしようという気持ちで打席に立ちました。相手投手が嫌な打撃をしようと思った。バッティングが好きなんです」とダイヤモンドを思い切り走り回った。

 決勝は沖縄尚学戦。沖縄大会決勝では5―8で敗れたライバルとの雪辱戦だ。「明治神宮大会に行きたいですね。全国大会の経験は選手たちにとっても大きな自信になるし、新しい学校で全国大会に出場するのはとても大きいと思うんです」と神谷監督。夏の大会では決勝で興南にタイブレークの末に敗れて甲子園を逃しているだけに全国大会出場への思いは強い。ライバルを倒して初の全国舞台へ。創部3年目のチームが初の頂点を狙う。(前田泰子)