大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

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 ヤンキースとのワールドシリーズを制した直後のことだ。

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 ドジャースの祝勝会の最中、大谷翔平(30)はフリードマン編成本部長に「あと9回、やりましょう」と言ったとか。ドジャースとは10年契約だけに、来季以降の9年間も「世界一」の祝勝会をやろうとチームの編成責任者に呼び掛けたのだろう。

 同編成本部長は「1年目にいきなり勝ったので、簡単なことだと思っているようだ」と苦笑していたが、実際、ドジャースは強さを維持するために今オフも補強の手を緩めないという。

 すでに米メディアの間ではソト外野手(26=ヤンキース)、アダメス遊撃手(29=ブリュワーズ)、バーンズ投手(30=オリオールズ)らメジャーを代表するFA選手に触手を伸ばすといわれている。特派員のひとりがこう言う。

ドジャースは外野手のテオスカー・ヘルナンデス(32)がFAになる。今季33本塁打のスラッガーも、年齢がネックで再契約は微妙。代わりに41本塁打、109打点でヤンキースのリーグ優勝に大きく貢献したソトと長期契約を結ぶプランがあるのです。固定できなかった遊撃は攻守に優れたアダメス、故障持ちだらけの先発は今季まで3年連続30試合以上に登板して21年にサイ・ヤング賞を獲得したバーンズの獲得に動くとみられています」

 若いソトは総額1000億円超の大谷と同等の大型契約になると予想されているし、アダメスもバーンズもFAの目玉選手。おまけにソトとバーンズの代理人は、やり手と評判のボラス氏。かなりの資金が必要になるとはいえ、ドジャースはカネも人気も備えた名門球団だ。

 米紙「USA TODAY」(電子版)によれば、今季開幕時の年俸総額は約375億円で30球団中3位。レギュラーシーズンの観客動員数は約394万人で同1位。そんなチームが今季、大谷の加入によって実入りはさらに膨らんだ。

 新たに大谷関連で14社のスポンサーを獲得、1社につき年10億円と仮定すれば計140億円もの利益を得た計算になるのだ。

時にはルール違反スレスレの行為も平気でやる

「それに大谷の年俸の97%後払いは大きい」とは前出の特派員だ。

「年俸の大半を後払いにしたことによって、本来は1年あたりの年俸が7000万ドル(約106億円)なのに、年俸総額の対象になるのは4600万ドル(約70億円)。つまり30億円超が浮いたわけで、その資金を他の有力選手の補強に注ぎ込めるのです」

 大谷の年俸後払いは米球界で波紋を呼んだものの、ルール違反をしているわけではない。が、結果として球団間の戦力均衡を主旨とした「ぜいたく税」の制度をないがしろにしたことになる。

 ドジャースはカネと人気と“裏技”をフル活用するだけではない。時にはルール違反スレスレの行為も平気でやる。

 古くは前田健太(36=現タイガース)の8年契約、最近は大谷、山本由伸(26)、佐々木朗希(22=ロッテ)のタンパリング疑惑がそれだ。

 前田はドジャースと16年から基本給約3億3000万円、最大で年間11億円超の出来高払いがつく8年契約を結んだ。「とにかくドジャースでプレーしたい」という前田の足元を見た契約には、メジャー選手会が「いくらなんでもアンフェアだ」と噛みついた。大谷、山本、佐々木については実際、他球団がMLBに対して「タンパリングだ」と抗議したほどだ。

 ヤンキースは2002年、松井秀喜と契約した直後に、レッドソックス入りが内定していたコントレラスをカネで強奪した。当時、Rソックスのルッキーノ球団社長はヤンキースを「悪の帝国」とののしったが、いまやルール違反じゃないかと他球団から抗議されるドジャースこそ「悪の帝国」ではないか。

 メジャーの公式ホームページを含む複数の米メディアは、今回のワールドシリーズを制したドジャースについて「王朝の始まり」と報じたが、疑惑を持たれるようなことまでやっているのだから強さも維持できるわけだ。

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 大谷は来季の副収入でとんでもない数字を叩き出すことになりそうだ。いったい、いくら稼ぐのか。また、ドジャースが恩恵を受けた「大谷効果」はどれほどの規模なのか。両者の「驚愕すべき金額」とは。

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