(C)久保帯⼈/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

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最終章『千年⾎戦篇』のTVアニメ第3クールとなるアニメ『BLEACH 千年⾎戦篇ー相剋譚ー』の⽥⼝智久総監督×村⽥光監督の対談インタビューが到着! 各話にアクションアニメーターを据えシリーズ最⾼の戦闘シーンが描かれる本作の貴重な話をお届けしよう。

悪霊・虚と戦う死神となった高校生・黒崎一護と仲間たちの活躍を描いた『BLEACH』は、2001年から『週刊少年ジャンプ』にて15年間連載され、発行部数1億3000万部を超える久保帯人原作の大人気漫画。アニメ化や舞台化、劇場アニメ化などのメディアミックスも多数展開し、完結後も世界中で根強い人気を誇る剣戟バトルアクションコミックだ。
シリーズ最終章となるTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』第1クールが2022年10月に放送され、2023年7月8日(土)からはTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー』が放送。最終章『千年血戦篇』のTVアニメ第3クールとなる『BLEACH 千年血戦篇ー相剋譚ー』が2024年10月5日(土)23時よりテレ東系列ほかにて絶賛放送中だ。

このたび、⽥⼝智久総監督×村⽥光監督のインタビューが到着! 印象的なエピソードや制作秘話など満載の対談模様をお届けする。

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◆⽥⼝智久総監督×村⽥光監督対談インタビュー◆

――『BLEACH 千年⾎戦篇』制作中に起きた、印象的なエピソードを教えてください。

⽥⼝:「千年⾎戦篇」では、作画の資料作りのために実際に⾃分たちで写真撮影をしました。難しいアングルのレイアウトは、想像だけではなかなか描きづらいんです。たとえばTV アニメ『BLEACH』20th PV の ”ルキアが押し⼊れの中に隠れていて、遊⼦たちが外にいる” というレイアウトは、制作さん、演出さん、アニメーターさんと相談してアングルを決め、写真を撮りました。

――資料作りのための撮影をはじめたのは、第1クールのときからですか?

⽥⼝:最初の頃はやっていなかったかな︖ たしか総作画監督の⻑⾕川さんが「描けないんだからしょうがない! 写真に撮ろう」と⾔い出したのがはじまりです(笑)。

村⽥:第2クールのユーハバッハと⾬⻯が⾎の盃を交わすシーンは、写真だけでなくムービーも撮りましたよね。

――「相剋譚」で、初めてトライしたことはありますか?

村⽥:初の⼤きいチャレンジのひとつは、 ”真世界城” をオープンワールドのゲームのように思い切って作ったことです。通常、アニメだと建物の中だけとか、局所的に作ることはあるのですが。

⽥⼝:カメラワークの⾃在とか、演出上は特に ”絵に描いた2次元の世界” からは、制約はどんどん少なくなっている感じがあります。でも現実問題として、費⽤は嵩むしスケジュールは⻑期になります(笑)。「千年⾎戦篇」のように3〜4年という⻑期プロジェクトだからこそ、トライすることができました。効果はこれから出てくるのかな、という感じです。

村⽥:あとLive2Dという絵を動かす技術も、今回新たに取り⼊れました。

――おふたりの⼀番好きなキャラクターを教えてくだい。

⽥⼝:固定の推しは、プレミア上映会でも⾔った鵯州です。あの⼤柄で丸い体型……あのビジュアルが好きです(笑)。あと、意外と⼝調が強いんですよね、彼。そういうギャップも⾮常にいい。

村⽥:ホラー感と可愛さが同居している感じですよね。

⽥⼝:技術開発局のシーン⾃体は少ないので、出番があまりないのが残念です。隙あらば、ちょこちょこと画⾯の端とかに出していきたいな(笑)。

村⽥:僕は更⽊剣⼋です。剣⼋と卯ノ花による戦いの決着がつく第1クールの第10話でコンテを担当させていただいたのですが、ただひたすらに強さを追い求める彼の姿は、シンプルにかっこよかったです。最終的には、想い⼈のような相⼿であり、師匠ともいえる存在の卯ノ花を斬って、さらに⾼みに上がることもできたので。

――「千年⾎戦篇」問わず、『BLEACH』で好きなセリフやシーンはありますか?

⽥⼝:72巻の巻頭歌です。「⾔葉に姿があったなら 暗闇に⽴つきみに届きはしないだろう」ってすごくないですか!  ”⾔葉に姿がないからこそ、闇の中でもきみに届くんだ” という、逆説的な感じがすごく好きなんです。いったいどういう経験をすれば、久保先⽣はこんなすごいフレーズが思い浮かぶんだろう、と思いますね。

――村⽥監督の好きなセリフやシーンは?

村⽥:僕は⼀護がユーハバッハに⾔った「俺以外の誰かにできたとしても 俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」(コミックス68巻618話)というセリフです。 ”⼀護ってこういう⼈” というのを端的に表していて、すごく印象に残りました。

――過去の2クールを経て、久保先⽣との関係や、やりとりの仕⽅などに変化はありましたか?

⽥⼝:距離感が近くなったというか、関係性は深まっていると思います。オリジナルシーンをご提案・ご相談するハードルも下がった気がします(笑)。とはいえもちろんそれに⽢えることなく、アニメサイドみんなで練りに練ってから監修をご依頼しています!

村⽥:たしかに、ネームでお戻しいただけるときは、こちらのテンションも上がってしまいますよね!

⽥⼝:第1クール、第2クールを経て、 ”原作者” という⽴場から⼀段寄り添ってくださっているのかなと感じています。久保先⽣の中で、アニメ『BLEACH』をより良い作品にするために、より⼀層⼒添えしてくださっている印象です。

村⽥:我々 ”アニメ制作側の⽬線” で受け⽌めてくださっているという感覚がすごくあります。

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――総監督、監督として、お互いに訊きたいこと・⾔いたいことはありますか?

⽥⼝:まだ終わったわけではないですが、監督をやってみてどうですか(笑)?

村⽥:「第2クールまで、本当によくやれていましたよね!」と⾔いたいです(笑)。⽥⼝さんは『BLEACH』以外の作品にも携わっていますし、特に第2クールのときは他作品の進⾏と重なる時期もありましたから。ほかのスタジオとやり取りしながら、さらにクオリティを上げて制作できるなんて、本当にすごいことだと思います。僕は『BLEACH』だけに集中できる環境でやらせてもらっているのに、てんやわんやですから(笑)。

⽥⼝:これは本当に、村⽥さんをはじめスタッフの皆さんのおかげです。「⾃分の話数は⾃分で⾯倒を⾒るよ!」という、⾮常に優秀な⽅々がそろっていたからこそ可能でした。⾃分はポイントポイントで顔を出せば良かったので(笑)。

村⽥:では訊きたいこととして。ボクシングでは、 ”世界チャンピオンを獲るよりも、防衛するほうが難しい” と⾔われています。今回、僕は初めて監督の座に就かせていただきましたが、それを防衛する秘訣、監督を続けていく秘訣を教えていただきたいです(笑)。

⽥⼝:監督を続けていく秘訣? 監督として⼤事なこととか……? 全然わからない(笑)。ただ⾃分は、性格は適当だけど「スケジュール通りに進めるぞ!」というムードだけはしっかり出しているつもりです。制作サイドの敵にならないよう、しっかりスケジュールを意識して「きっちり協⼒します!」という態度ですね。

村⽥:⼤事ですよね。

⽥⼝:でも、最初に設けるハードルは⾼めに設定することはあるかもしれません。「千年⾎戦篇」は、最初に「某作品に匹敵するクオリティを⽬指すと約束してくれ!」とプロデューサーに伝えて制作がスタートしたんです。まずは⽬標を設定し、それを⽬指すことが何事にも重要だと思っているので。それができなかったときに、 ”じゃあ、どうやってクオリティを上げるか?” とか ”どういうスタッフを⼊れればいいのか?” ということを、きちんと制作サイドと話し合い、コミュニケーションを取ることが⼤切だと思っています。「できないからダメじゃん」になるのは絶対に避ける。

――最後に『BLEACH』の⾒所と、ファンに向けてのメッセージをお願いします。

⽥⼝:スタッフ⼀同、第3クールの「相剋譚」も⾮常に頑張って⼿を動かし、情熱の限りの絵を作っております。今後の放送もぜひご期待ください!

村⽥:第3クールは、これまで以上にアニメのオリジナルシーンが増えています。第30話の⾬⻯が纏った翼の霊⼦のように、原作にないシーンが随所に盛り込まれています。それらがオリジナルとしてどう描かれていて、どう原作の物語と繋がっているのか。久保先⽣監修のもとで、原作の物語にどのように戻っていくのか。ぜひ期待して観ていただければと思います。

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