最低賃金引き上げ継続なら、サービス価格中心に物価押し上げ=日銀

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Takahiko Wada

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の全文によると、最低賃金の引き上げが消費者物価指数(CPI)のサービス価格に与える影響を分析した結果、最低賃金の引き上げがサービス価格を有意に押し上げており、「今後、最低賃金の引き上げが継続すれば、サービス価格を中心に物価が押し上げられることが見込まれる」と指摘した。

日銀は展望リポートで賃金と物価の関係を分析した。今年度の最低賃金は前年比プラス5.1%で過去最高の伸びとなった。

また、コロナ以降の物価上昇を要因ごとに分析した結果、主としてエネルギー価格や食料品などの輸入物価上昇の価格転嫁の影響で説明できる一方で、足元にかけてはそうした要因や需給環境などでは説明しきれない部分が押し上げに寄与していると指摘。企業の積極的な賃金設定行動が物価を押し上げていることが示唆されるとし、「今後も、過去の低インフレ期における平均的な関係性以上に賃金ショックが物価の上押しに作用していく」と述べた。