3番でラフからのアプローチショットを放つ脇元華

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 「日米女子ゴルフ・TOTOジャパンクラシック・第1日」(31日、瀬田GC=パー72)

 日米両ツアーを兼ねる大会が開幕し、ツアー未勝利の脇元華(27)=GMOインターネットグループ=が9バーディー、ボギーなしの63で単独首位発進。元世界ランキング1位の宮里藍や、米女子ツアー通算72勝のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)らレジェンドに並ぶ大会コースレコードで2位に2打差をつけた。優勝すれば手に入る米女子ツアー2年シードにも意欲をのぞかせた。古江彩佳は66で回り日本勢2番手の3位。渋野日向子は72のパープレーで56位。

 名だたる海外勢が上位にひしめく中で、脇元がロケットスタートを決めた。宮里藍やソレンスタムらに並ぶ『63』。会見場で、ビッグスコアが一時代を築いた名選手たちに並ぶことを知ると「めっちゃうれしい」と声を弾ませた。

 ショット、パターともにかみ合って大爆発。インから出た前半で四つ伸ばすと、後半も勢いは衰えなかった。3番パー3では1打目をグリーン奥に大きく外したが、4〜5メートル残るパーパットを沈めて大ピンチを脱出。難関の9番は、残り10ヤードからチップインバーディーで締め「すごくうれしかった」と喜びをかみしめた。

 「勝ったらアメリカにチャレンジしたい」。今まで公言したことはなかったが、ひそかに米ツアー進出をもくろんでいた。日米共催の今大会で優勝すれば、今季から2年に延長となった米女子ツアーのシードを獲得できる。まだ3ラウンドを残すが、優勝も意識できる初日の好発進とあって、冗談交じりに本音を語った。

 「本当は(米ツアー挑戦を)考えているけど、なかなか日本で勝てないので。勝てずに行くと、日本はたたかれやすい(笑)。あまり大きい声では言えないけど」

 米女子ツアーは、自身がプロを本格的に目指すことになったきっかけだ。中学3年の時に、タイで行われるホンダLPGAを現地観戦し「私のゴルフのスイッチが入った。私もいつかここに立ちたいなという気持ちでゴルフを始めたので」と大きな刺激を受けた。憧れの舞台に近づく第一歩を踏み出した。

 ◆脇元華(わきもと・はな)1997年10月4日、宮崎県小林市出身。シングルの腕前を持つ父・信幸さんの影響で、8歳の時にゴルフを始めた。宮崎日大高卒。18年5月の台湾ツアーで優勝を果たし、同年のプロテストは3回目の挑戦で合格。22年4月にステップアップツアーのハナサカレディース・ヤンマーで国内初勝利を飾った。23年はメルセデス・ランキング57位だったが、11月末の最終QTは7位で前半戦出場権をつかんだ。174センチ、64キロ。