屈強なアメリカンフットボール部の学生たちが、率先して地域の子どもたちとの交流を深めています。

激しいコンタクトプレーと緻密な頭脳戦でゴールを奪い合うアメリカンフットボール。北陸の学生リーグを長年けん引するのは、金沢大学エバーグリーンです。

関東や関西の名門チームに比べ、部員の確保や練習設備などの面で恵まれた環境とは言えない中、それでも勝ちにこだわるアスリート魂を持ち続けます。

赤塚元春主将「選手1人1人が夢として、目標として持って活動しないとチームは衰退していくので、そこは常日頃上を目指すように部員一同やっている」」

地域に愛されるチームを目指し、子どもたちと関わる

そんな学生たちが大切にしているモットーが、地域との結びつき。大学近くの小学校では、アメフトを取り入れた授業で指導を買って出たり、登下校時の子どもたちを見守ったりと、地域に愛されるチームを目指し積極的な関わりを続けています。

定直勇太主務「普段からどうやったらたくさんの人に応援してもらえるかなとか、サポートいただけるかなということを普段から考えていて、いろいろな人にチームを知っていただきたい。地域の皆さんのサポートがあってこそできている活動だと思うので、それを地域の皆さんに還元したいという思いから地域貢献活動には力を入れている」

子どもを試合会場に招いてスタンドを緑色に

活動に賛同した市内の自動車学校の協力を得てことし初めて企画した取り組みが、子どもたちを試合会場に招き、スタンドをチームカラーの緑色に飾るオールグリーンプロジェクトです。

赤塚元春主将「最後に俺らがあそこで勝って観客席にあいさつしている姿、勝ってこのフィールドに立っている姿を全員がイメージし続けろ!」

試合直前、チームの士気は最高潮に達します。

「マジ勝者俺達しかいないから。絶対勝つぞ!」

「マジ金大のプライドかけて、マジ勝者俺達しかいないから。絶対勝つぞ!」

今シーズン最後の公式戦となった福井県立大学との一戦。エバーグリーンの選手たちが躍動します。

地域を巻き込んでアメフトを盛り上げ、スポーツの魅力を学生の手で伝えたい。その思いが勝利に結びつきました。

子ども「頑張ったねー」

選手「本日は応援ありがとうございました」

試合後は普段の穏やかな表情に戻り、観客を見送る部員たち。

保護者「最初は怖いイメージだったけど、話すとみんなやさしくて…」

子ども「1番だったのはかっこいいところ。今度からもまた見たい」

保護者「最初はちょっと怖いイメージがあったけど、話してみるとみんなすごいやさしくて、子どもも好きというのが伝わるので、すごく頼りになる存在。私たちも彼らに何か協力できれば」

定直勇太主務「こうして改めて部活動やスポーツの素晴らしさを皆さん感じていただけたら、もっともっと北陸のスポーツ自体も盛り上がるし、地域とのつながりを作ることやアメリカンフットボールだけでななく、学生スポーツを盛り上げるという意味でもすごく意義のある活動だときょうは思った」

強豪ひしめく全日本選手権を見据え続ける目標と共に、地域との結びつきを大切にする気持ちは、新チームへと引き継がれます。