4回、先制ソロを放つオースティン

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 「SMBC日本シリーズ2024、ソフトバンク0−5DeNA」(30日、みずほペイペイドーム)

 第4戦が行われ26年ぶり3度目の日本一を目指すDeNAが、4年ぶり12度目のシリーズ制覇を狙うソフトバンクを5−0で破って2連勝し、対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。DeNAはタイラー・オースティン内野手(33)が先制弾を含む3安打2打点をマーク。先発のアンソニー・ケイ投手(29)は7回4安打無失点の快投を見せ、助っ人勢の投打の活躍が勝利を引き寄せた。

 ダイヤモンドをゆっくりと一周するオースティンに笑みはない。「全打席歩いて帰ってくるようにホームランを打ちたいんですけど」。痛みをこらえて挑む頂上決戦だ。強力ソフトバンク投手陣を粉砕し、今シリーズの打率はついに・556にまで到達。連勝に導く働きにようやく笑えた。

 序盤から意地と意地がぶつかり合った。快投で試合を作る先発・ケイを援護できたのは四回。オースティンが1死から右翼ホームランテラスにズドン。石川の直球を打ち砕き、先制アーチを放つ。七回にも3点を追加し、なおも2死満塁で左前打をマーク。ダメ押しの5点目を奪った。

 「ぶっちゃけ、めっちゃ痛かったです」。この日も走塁中に顔をしかめる場面もしばしば。今シリーズ第1戦で自打球を当て、左足甲の打撲と診断された。17年にも同箇所を自打球で痛めており、「それ以来、少し治りが遅い部分ではある」と明かす。分厚いフットガードをつけているが、衝撃は大きく、まだ腫れは引いていない状態だ。

 そんな中で、突き動かすのは熱い気持ちだけだった。過去2年間はケガにも泣き、グラウンドに立てない日々を経験。「自分は野球を愛していて、毎日できることならばプレーしたいと思っています。今シーズンは本当にやってやるぞ、と」。悔しい経験を経て向かう打席を、簡単に諦めるわけにはいかなかった。

 本拠地で悪夢の連敗スタート。それでも誰一人、下を向くことなく敵地で連勝してタイに引き戻した。横浜へとつながった大きな一勝。最大級の下克上完結へ。さぁ、3連勝で本拠地に帰ろう。

 ◆日本S初戦から2連敗→2連勝球団 ホームゲームでの第1、2戦を連敗した後に2連勝したケースは過去に5例。そのうち、60%となる3例が日本一となっている。また、第1、2戦=ホームに限らなければ過去12例。そのうち、約41.7%となる5例が日本一。