「点をやらないのがエース」 ソフトバンク小久保監督が脱帽したDeNA東克樹の投球術 敗戦の収穫は若手左腕の好投
◆SMBC日本シリーズ2024 第3戦 ソフトバンク1―4DeNA(29日、みずほペイペイドーム)
頂上決戦での快進撃が止まった。3点を追う9回2死二塁。柳田悠岐が遊ゴロに倒れると、本拠地はため息に包まれた。日本シリーズでは2018年第3戦から続いた連勝が14でストップ。本拠地での試合に限れば、11年第7戦からの16連勝が13年ぶりに途切れた。
打線は10安打を放ちながら1得点にとどまった。投げては2番手の大津亮介が誤算。5回に登板すると、先頭の桑原に勝ち越しソロを浴びた。大津は日本シリーズ初登板で初黒星を喫したが、小久保監督は「短期決戦は敗因を振り返る意味がない」と切り出した。
この試合は日本シリーズ初登板の投手が続き、4番手の前田純は六回からの2イニングを完璧に封じた。小久保監督は「育成選手からはい上がって、日本シリーズであれだけ投げきった」とたたえた。
打線も今シリーズ初先発の近藤健介が2安打を放ち、柳田も3安打を記録した。終盤は劣勢をはね返そうと、柳町達、川瀬晃、中村晃と代打攻勢を仕掛けた。結果的にはけが明けの左腕東克樹に強力打線が封じられた。
レギュラーシーズンで13勝を挙げた左腕の投球について、小久保監督は「すごかったですよ。(初回の1点から)点をやらないのがエース。向こうが立派」と脱帽した。一つ負けたとはいえ、本拠地胴上げの可能性は十分に残っている。(小畑大悟)