京都に敗れ、サポーターに頭を下げる鳥栖の選手たち(撮影・永田浩)

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 ◆明治安田J1第34節 京都2―0鳥栖(19日、サンガスタジアムbyKYOCERA)

 ついにこの日が来た。残留の崖っぷちで鳥栖は前半早々に退場者を出した京都に完敗。13年間死守したJ1からの初降格が確定した。「一つ一つの甘さが積み重なって、ここまで来てしまった」。通算在籍10年の福田晃斗は唇をかんだ。

 堅守でJ1に定着したが、今季はリーグワーストの65失点。この日も残留がかかる京都の気迫あふれるプレスにのまれ、ボールを奪われた直後の帰陣も遅れた。後半20分の先制点は相手GKが蹴り込むと、マルコトゥーリオを3人がかりで止められず、シュートは味方DFに当たって方向が変わって入った。球際の甘さが顕在化した場面にGK朴一圭は「今年のチームを象徴する試合。自分たちでチャンスを逃した」と悔しさをにじませた。

 チーム名の由来でもある「砂岩」を具現化したハードワークと結束力でビッグクラブと互角以上に渡り合った。だが今年は開幕前にけが人が相次いで戦術を浸透させられず、春先には強化責任者を突然交代。夏には中盤の要だった河原創(川崎)ら主力が多数移籍するなど結束とはほど遠く、OBの木谷公亮監督が就任後勝てていない。

 主力を多く引き抜かれるのは必至。債務超過が続く中の積極補強は難しく、1年でのJ1復帰はいばらの道となるだろう。「残留した年もつぎはぎで何とかしてきた部分がある。サガン鳥栖に関わる全ての人たちでまた上に上がる準備をしないといけない」。福田は危機感を示した。(末継智章)