〈市川・緊縛強盗〉娘は車で拉致され…凶悪化する連続強盗「先週も変な男が来た」近隣で次々に起きていた“異変”

写真拡大

千葉県市川市柏井町の住宅に住む72歳の女性から10月17日午前7時ごろ「夜勤から帰宅したら家の中が荒らされていて、同居していた50代の娘が行方不明になっている」と110番通報があった。捜査員が現場に急行したところ、1階の窓ガラスが割られ室内の金庫などを物色した形跡があり、室内にあった財布から現金が抜き取られていたほか、この家にあった乗用車がなくなっていた。また、現場に粘着テープやハンマーなどが残されていた。千葉県警捜査1課は強盗、拉致監禁の疑いで捜査を開始、同日深夜に犯人グループに連れ去られた娘を埼玉県内で保護、一緒にいた26歳の男を監禁容疑で現行犯逮捕した。

〈画像〉遂に死者も…横浜市青葉区の住宅で遺体で見みつかった後藤寛治さん

窃盗空き巣被害が周囲でも…

16日未明には同県白井市中の住宅にも複数の人物が押し入って住人の母娘に暴行を加えて縛り上げ、現金約20万円と車を奪って逃げる強盗致傷事件が発生。

また同日には横浜市青葉区の住宅が荒らされ、住人の75歳男性が手足を縛られた状態で死亡しているのが見つかった殺人事件もあった。

一連の事件は首都圏で相次いでいる「闇バイト」を実行犯にした強盗グループの犯行の可能性がある。18日、警視庁神奈川県警、埼玉県警、千葉県警は合同捜査本部を設置、指示役の検挙に向け本格的な捜査に乗りだした。

市川市の現場はJR武蔵野線船橋法典駅の北約1.5キロの、畑やビニールハウスに囲まれた住宅が点在する地域。周辺にコンビニや商店などはなく、夜間や未明は真っ暗で人通りはほぼない。近くに住む50代の女性はこう眉をひそめた。

「5~6年前に近くの別の家が窃盗事件に遭って、バックや現金が盗まれたことがありました。そのときも深夜に侵入されて、家族みんな寝ていたから気づかなかったみたいです。それ以来、この近くで事件があった話は聞いたことがないです。

私は仕事の関係で毎朝4時くらいに家を出るけど、事件のあった今朝もいつもと変わらない様子だったと思います。もしかしたら、うちが被害に遭ってたかもしれないから本当に怖いわね」

近所に住む60代の男性も不安そうにこう話した。

「この辺りは田舎だけど、治安がいいからまさかこんな事件が起きるなんてね...。自治会の班が違うからあまり交流がなかったけど、被害にあったお宅は古くからお住まいの方だと思います。

そのお宅には昔はアメ車が止まっているのをよく見かけたけど、最近は見かけなくなりましたね。今は母娘暮らしだけど、昔は何人かと住んでたんじゃないかな?」

近所に住む別の60代男性は、空き巣に入られた経験があるという。

「うちも10年くらい前に2回空き巣にやられているんで、他人事とは思えないです。その当時はこの辺のあちこちで同様の空き巣被害があったのですが、最近はそういう話も聞かなかったんですけどね。

今朝はいつも通り変わらない様子だったんですけど、15時くらいには規制線が張られていて、多くの報道陣でごった返していました」

死亡した男性は手足を縛られ全身に打撲痕が…

最近は事件もなかったというこの近辺だが、不審人物が出入りするようにはなっていたという。男性がこう続けた。

「13日の日曜日のお昼ごろ、作業着姿の30代ぐらいの男性が『この近くで工事をしているんですが、塗料の臭いでクレームがあったので確認しに来ました』とウチに来たんですよ。

でも、近くで工事をしている様子はなかったんで『どこで工事してるの?』と聞くと『あっちの方です』とか曖昧な答えしか返ってこなかったんで、怪しいなぁと思ってたところです。

実は半年くらい前にも、同じような雰囲気の男性が1人で『この家の瓦の位置がズレているから直さないと雨漏りしますよ。もしよかったら、修理しますけど』と訪ねて来たことがあって『自分でするからいいです』と断ったんですよ。

今思えば、犯人グループがこの辺に下見に来ていた可能性もありますよね。今回の被害者のお宅とはお付き合いはありませんが、ぽつんと1軒ある場所だからね。そういう家を狙った犯行だったんでしょうね」

白井市の事件は16日午前3時半過ぎ、70代の母と40代の娘が同居する住宅に複数の男が侵入、就寝中の2人に目隠しをして体を叩いて全身打撲や指骨折などのケガを負わせたうえ、「カネはどこだ」「車のキーを出せ」などと脅して室内にあった現金と車を奪って逃走した。

犯人は平屋住宅の1階窓ガラスを割って侵入したとみられる。現場は北総鉄道白井駅の北約3.5キロの畑や林に囲まれ、やはり住宅はまばらだった。

横浜市の事件で亡くなったのは後藤寛治さん(75)。

16日午前9時半ごろ近所の住民から「後藤さん宅の玄関脇の窓が割れている」と通報があり、事件が発覚した。

後藤さんは脱衣所で手足を縛られて死亡しており、全身の広範囲に打撲痕があった。後藤さんは妻と二人暮らしだが、当時妻は不在だった。室内は物色した形跡や、複数の人物が土足で入り込んだ跡があった。

市川の事件の被害者は2人とも全身打撲のケガをしており、母親は左手を骨折する重傷だ。

事件に関連して18日朝、神奈川県内の警察に新たに一人の男が出頭したが、事件の全容解明はこれからだ。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news

取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班