この衝撃的なおいしさ! ふぐは“焼き”の時代が来た! 知らなければたどり着けない隠れすぎている店でふぐ三昧!

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「ふぐは刺身と鍋の後の雑炊が醍醐味だよね」なんて言っている場合ではありません。ふぐの最旬おいしい食べ方は、なんと“焼き”! それを食べられる店が神楽坂にオープン。しかし、あまりにも謎めいた入口ゆえにうまくたどり着ければ舌を魅了するプリップリの「焼きふぐ」が待っています!

店がない!?

神楽坂「玄品」の入口から3階へ

看板のない店はよくありますが、ここまで隠れてくれると「よくぞやってくれました」と拍手を送ってしまいます。10月16日にオープンした「焼き福3階」は新しいアプローチでふぐを楽しめると話題の店ですが、記載された住所に行ってみるとそこにあるのはとらふぐ専門店「玄品 ふぐ・うなぎ料理 神楽坂」。しかもこの建物の入口は一つだけ。

階段を上がると、あった!

店がない!?と、諦めてはいけません。実はここ「玄品」がふぐの魅力を新しく引き出すために開発した「焼きふぐ」をメインにしたコース料理を提供する店なのです。だから入口は「玄品」と一緒。そして階段で3階に上がってみると……、手書きのボール紙を看板代わりに貼った謎めいた扉を発見!

靴を脱いで掘り炬燵席へ

中へ入ると掘り炬燵とお座敷に分かれており「焼き福3階」は掘り炬燵エリアとなります。掘り炬燵席は最大4人ですが、人数が多い場合はお座敷エリアを利用できるのでご心配なく。

捌き方も焼きふぐ仕様に!

頭から剥ぐ

本日は特別に捌き方を見せてもらいました。今までと違う点はメインの「焼きふぐ」にフォーカスして捌いていること。皮を尾からではなく、頭から剥ぐことで通常は上身の方に残す粘膜を皮に残します。

「なめたれ」が皮にびっしりと残る

このプルプルした粘膜は「なめたれ」と呼ばれ、焼くと驚くほどおいしくなるそう。でも劣化が早いので廃棄してしまうことがほとんど。こちらでは捌きたてを提供するから、こういうふぐの新しいおいしさを体験できるのです。

身は「玄品」で提供する3〜4倍の厚さに切るそう

「玄品」では上身は3枚おろしにして刺身に使いますが、こちらでは2枚におろして中骨つきは焼きに、もう一方は刺身にします。上身は厚く切るとプリップリ感が増すそうなのでどんな食感になるのか楽しみです。

筋肉が発達している尾は“焼き”がおいしい!

他にも唐揚げにする部位はアラを、煮麺にはコラーゲンたっぷりのふぐの口を使うなど新たな食体験ができそうです。

ふぐ三昧のコースが価格破壊の1万円!

「薬味」はお代わり自由

それではコース料理(10,000円)の全貌をご紹介しましょう。はじめに供されるのが「薬味」というのがおもしろい!「プルコッチ(韓国の青唐辛子)」「ポン酢」「塩にんにくダレ」「もみじおろし」をカスタマイズして、それぞれの料理に合わせます。焼きふぐには「プルコッチ」のみ、刺身には「ポン酢」と「塩にんにくダレ」を混ぜてなど、世界に一つだけの自分好みのふぐ料理に仕上げます。

ポン酢の酸味がちょうどいい「湯引き」

前菜は「湯引き」です。一口で思わず「おぉっ!」とうなってしまうおいしさです。コリコリ&プルプルの皮は今までにない食感。その秘密は「イオン化ミネラル」を含ませること。この歯切れ、たまりません!

手前が「ぶつ刺し」、奥が「てっさ」

続いて「ぶつ刺し」と「てっさ」を盛り合わせた「お刺身2種盛り」です。「ぶつ刺し」はボイルした「とおとうみ(皮と上身の間にあるゼラチン質を多く含んだ皮膜)」をぶつ切りにした上身で挟み、下に白菜を敷いています。白菜の芯の部分は甘みがありシャキシャキして、ふぐのうまみと食感を引き立たせています。またポン酢とにんにくともみじおろしを合わせたオリジナルのぶつ刺し用のタレがいい! これはやみつき必至です。
見ての通り厚く切った「てっさ」はシコシコの歯応え。これだけ厚切りゆえ、おすすめの「プルコッチ」と「ポン酢」でカスタマイズしたタレが十分に絡み、新感覚の「てっさ」を味わえます。

「唐揚げ」

唐揚げは「とおとうみ」と「アラ」の2種類を盛り合わせにしています。「とおとうみ」はクニュクニュ、「アラ」はプルップル、どちらもカリッカリの衣とのコントラストが新食感! オリジナルの味付け衣も絶品すぎて、手が止まりません。

「焼きふぐ」のおいしさが卒倒レベル!

「焼きふぐ」

いよいよメインの「焼きふぐ」の登場です。「とおとうみ」「上身」「あら身」を盛り合わせて、これで1人前の量とはなんという太っ腹!

いい香りがしてくる

焼き加減はスタッフが実演・説明した後はセルフ焼き。プリッとして味わい深い「上身」、弾力と歯応えのある「あら身」は手づかみで豪快にいただきます。焼けたタレの香りも相まってどれもあまりにおいしく、食べることに無我夢中。蟹を食べると黙るとよく言いますが蟹より黙ってしまいます。

皮面を下にして焦げ目がつくまでじっくり焼く

「とおとうみ」の表面に「なめたれ」が溶けてグツグツしてきますが、ここはじっと我慢。皮が香ばしく焼けたら食べ時です。おいしい汁を含んでトゥルトゥルな内側とパリッとした皮目、今まで食べたことのない食感です。

裏メニューの「底身」は希少ゆえ、出会えたら幸せ!

つけダレで味がしっかりついているのでそのままでも十分ですが、つけダレをさらにつけ焼きするもよし、カスタマイズした「薬味」で“私だけの味”にするもよし。おすすめはもちろん「プルコッチ」です。それにしても「焼きふぐ」、衝撃的なおいしさです。

「煮麺」

〆は「煮麺」です。ふぐの骨で取った出汁はうまみたっぷりで予想を裏切らない味わい。具材は「春菊」「白菜」「葱」「椎茸」、そして「ふぐのくちびる」。食べていると気がつきます、これって「ふぐちり」だと。こういうおしゃれなセンスもニクイ!

出汁がおいしすぎる!

唐揚げ、焼きふぐを堪能した後に、優しい味わいの煮麺にしたアイデアが素晴らしい! 出汁は淡白な味わいでさっぱりさせつつもうまみがあり、コラーゲンの宝庫である「ふぐのくちびる」を入れることで唇がくっついてしまうほどプルップル。

味変には「プルコッチ」を!

コース料理の〆でありながら通常の1人前サイズなのですが、素麺だからスルスルと入ってしまいます。途中で「プルコッチ」で味変するとさらに拍車がかかり、出汁も一滴も残さず完食! おいしいものは胃袋のサイズも変えてしまうのです。

ヒレ酒もラインアップした2,000円の飲み放題!

「冷やしヒレ酒」

こちら飲み放題(2時間制2,000円)までお得なのです。ビール、焼酎、日本酒、ハイボール、オリジナルのサワー類、ソフトドリンクに加え、なんとヒレ酒までラインアップ。特になかなかお目にかかることのない冷やしヒレ酒は、ヒレを焼いた香ばしさがありつつスッキリとした飲み心地で冷酒好きの心を捉えること間違いなし!

燗にした「ヒレ酒」

大阪ではポピュラーな「焼きふぐ」ですが、大阪の店が東京に進出することはあっても東京発信の店は見かけたことがなかったことから「焼き福3階」が誕生しました。「焼いたふぐを手でつかんで豪快に食べる大阪スタイルをヒントに、中骨をつけたまま身をぶ厚く切ってプルコッチで食べたらめちゃくちゃおいしかったんです。これが東京スタイルの『焼きふぐ』になってもらえたら」と話すのは総料理長の佐々木友朗さん。

看板がかわいい!

料理はすべて1人前の量、2人でシェアしてもいいくらいのボリュームです。「ぶつ刺し」は2貫にした「小ぶつ刺し」、「焼きふぐ」は「皮」「あら身」「上身」が単品でオーダーできるのもうれしい。これでコース料理+飲み放題で12,000円とは「焼き福」という店名のとおり口福度200%! おまけにふぐの脂肪分は鶏のささみ1/3! おいしくってリーズナブルで、ヘルシー!「焼きふぐ」なら夏でも食べたくなるので、ぜひ「焼き福3階」に行ってみてください!

※価格は税込


<店舗情報>
◆焼き福3階
住所 : 東京都新宿区神楽坂5-35 3F
TEL : 080-7214-7142


文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 撮影:八木竜馬

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