習近平の「経済無策」ここに極まれり…!トヨタとフィリピンが悩み始めた「没落中国」と「デフレEV市場」の撤退シナリオ

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「中国市場」に魅力なし

トヨタ、ホンダ、日産など自動車大手メーカーは、中国市場での苦戦が鮮明になっている。

ハイブリッドが得意な日本メーカーにとって、政府の補助金に支えられる中国製EVが日本勢の苦境の原因と見ることもできるが、これからは、そもそも日本勢の中国市場への投資が、今後有効なのかという疑問が広がることだろう。

それは、中国がもはやかつての経済的イニシアチブを失ったことを如実に示しているかもしれない。

中国不動産調査企業は、「国慶節(10月1〜7日)期間中の住宅販売(床面積ベース)は前年比23%増となった」と発表した。

だが、国慶節の直前に当たる中秋節の2日間も勘案すると、今年の住宅販売は昨年に比べて27%減少している。専門家は「追加支援策が必要であり、順調な回復途上にあると判断するのは時期尚早だ」との姿勢を崩していない。

最近の株高を受けて、中国の証券・ファンド業界のエコノミストの6割は「今年第4四半期の経済成長率は加速する」との見方を示しているが、楽観的すぎると言わざるを得ない。

中国の金融監督当局が指摘しているとおり、緩和措置により潤沢となった金融機関のマネーが株式市場に流れ込んでいるに過ぎないからだ。

気がかりなのは、「頼みの綱」の製造業が失速し始めていることだ。

中国政府が発表した8月の工業部門企業利益は前年比17.8%減少し、前月(4.1%増)から再び大幅な減少に転じた。需要の減退が過当競争を引き起こしており、そのなかで特に深刻なのが自動車市場なのだ。

トヨタにとって割に合わない「中国投資」

自動車販売店の業界団体である中国自動車流通協会は9月下旬、「継続的な新車の値下げ競争によって販売店が受けた今年1〜8月の損失は1380億元(約2兆8000億円)に達した」との報告書を政府に提出した。

自動車メーカーの経営も散々だ。これまで税金の払い戻しなどの「隠れ補助金」で支援されてきたが、支援元だった地方政府の財政がパンクし、今や共倒れの状態となっている。

外資系企業も苦境に陥っている。

トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の日系自動車大手3社は10日、9月の中国の新車販売台数を発表したが、3社ともに前年比マイナスとなった。日系3社の販売台数が前年を下回るのは6ヵ月連続だ。電気自動車(EV)など新エネルギー車で販売を伸ばす中国勢に押され、販売減に歯止めがかからない。

販売不振などが災いして、日本企業にとって中国への投資は割が合わなくなっている。

世界から見放される「中国経済」

経済産業省によれば、日本企業の中国での現地法人の今年第2四半期の設備投資額(ドルベース)は前年比16%減だった。7四半期連続の前年割れだ。

地域別でみても、欧州での投資額を下回った。日本にとって中国は輸出先として2位、輸入元として首位であるのにもかかわらず、日本企業の脱・中国投資が加速している。

「中国はおいしい市場だ」とするかつての神話は崩壊しつつあることが背景にある。中国経済は「病膏肓に入る」状態にあると言っても過言ではない。手の施しようがなくなっているのだ。

そして、ついに世界銀行が10月8日、中国経済について辛辣な見通しを示して見せた。

「中国の成長は30年にわたって近隣諸国にプラスとなっていたが、今後は地域経済にとって『重し』的な存在に転じてしまうだろう」

世界銀行は「中国経済は財政支援で短期的には上向くかもしれないが、本格的な回復軌道に乗るためには構造改革が不可欠だ」とも指摘している。

中国の衰退は、いま地政学にも大きな影響を与えようとしている。ついに、フィリピンが中国を見限ろうとしているのだ。

その深刻な状況については後編『ついに世界銀行も「習近平」経済を危惧…!フィリピンからも見限られた没落中国で緊張が高まる「台湾有事」と、さらにヤバい「本当の脅威」』でじっくりとお伝えしていこう。

ついに世界銀行も「習近平」経済を危惧…!フィリピンからも見限られた没落中国で緊張が高まる「台湾有事」と、さらにヤバい「本当の脅威」