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 ◇パCSファーストS第1戦 ロッテ2―0日本ハム(2024年10月12日 エスコンF)

 「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」と「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージが12日に開幕し、パは3位のロッテが2―0で2位の日本ハムに先勝した。佐々木朗希投手(22)が8回無失点、9奪三振の力投でCS初白星を挙げた。セも3位のDeNAが2位の阪神に先勝。ロッテとDeNAはきょう13日の第2戦に勝てばファイナルステージ進出が決まる。

 吠えた。唯一の得点圏をしのいだ完璧な3球。佐々木が気持ちを乗せた勝負に勝った。2―0の7回2死二塁で、2安打されていた万波。初球、136キロスライダーで空振り、続けて157キロ直球で見逃し。最後は136キロスライダーで空振り三振。全て捕手・佐藤が慎重にとボールゾーンに構えた外角で、3球勝負を制した。

 「大胆に勝負できた。いい投球ができたと思う」

 最速159キロ、8回112球を投げて5安打無失点9奪三振。「僕は7回で代わると思ったんですけど…」と冗談めかしたが、初戦を任された責任を果たした。「チームとしても個人としてもいいイメージがなかった球場で勝てて良かった」。今季、日本ハム戦は5試合で0勝2敗。特に敵地エスコンフィールドでは2試合で0勝1敗、防御率6・43の鬼門だった。5月10日は5回2/3で今季最多の123球を投げさせられ、8月15日は打球が左アキレス腱付近に直撃し1回1/3で緊急降板。「いろいろ失敗してきたので、それが今回は良い形で生かせた」。序盤はフォークが精彩を欠いたが、5年目で初の2桁勝利を支えたスライダーで乗り切った。7回の万波も、5回無死一塁の松本剛の三ゴロ併殺打もそのスライダーだった。

 メジャーでは、23年WBCでともに世界一に導いた先輩2人が投げ合った。さまざまな助言を受けたドジャース・山本とパドレス・ダルビッシュ。大事な一戦を前にテレビ観戦はできなかったが「素晴らしいことだと思いますし、勉強になることが多い」と目を輝かせた。ヤンキースなど10球団のメジャースカウトが集まる中、同じ2―0となった試合で圧倒的投球を披露した。

 これでCSは3試合で17回を1失点(自責点0)、15回連続無失点でCS初白星。昨年は故障明けでファーストSのみ3イニングの登板だったが「まだ先がある。大事な試合が続く」と3位からの下克上の軸になる。 (大内 辰祐)

 ▼ロッテ・吉井監督(佐々木は)長打を打たれないように低めにコントロールできていた。いつもの乱れる立ち上がりよりいい球がいっていて、全然心配なかった。

《初戦勝利なら突破率100%》 レギュラーシーズン3位のロッテが先勝。過去パのプレーオフ、CSファーストSで初戦を勝ったチームは19度のうち16度ファイナルSに進出しており、突破率は84%となっている。ロッテがファーストSで先勝するのは昨年に続き8度目。過去7度は全てファイナルSに進出しており突破率100%だ。また、セはDeNAが勝利。セ・パともに3位チームが先勝するのは19年の阪神、楽天以来5年ぶり5度目。そのうち、ともに突破なら13年の広島、ロッテ以来11年ぶり4度目となるがどうか。