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 ◇セCSファーストシリーズ第1戦 阪神1ー3DeNA(2024年10月12日 甲子園)

 崖っ縁の虎を救ってみせる。13日の第2戦に先発する阪神・高橋は、ショートダッシュなどで最終調整。シーズン途中に故障から復帰して4連勝をマークした左腕は、ポストシーズンでも流れを変える快投を期した。

 「(本番は)緊張するだろうな、という感じ。いつもより緊張感あるのかなと思う。それを力に変えて、という感じですね」

 もう一敗もできない状況で託されたバトンを力強く握りしめるように、言葉を継いだ。この日の試合前練習後の取材対応で「試合は見て、相手がどんな感じなのかなというのを見ておきたい」と話していた左腕。先陣を切った才木の投球も参考に、2番から5番までの4人で8安打を積み重ねた強力な中軸を誇る打線への対策を、脳裏に思い描いたことだろう。後輩右腕の力投は、無駄にしない。

 当初は3日のレギュラーシーズン最終戦のDeNA戦に登板予定だったが、順位が確定したため登板を回避した。そのためDeNA戦は今季初対戦どころか20年11月1日以来4年ぶりの登板となる。牧や梶原とは初顔合わせだが、9日にシート打撃で対戦した佐藤輝が「(初見で打つのは)なかなか難しいと思いますよ」と証言したように、相手にとって“初物”であることも追い風に、アウトを量産する算段。もちろん、かわすつもりもない。

 「外一辺倒だと踏み込まれるので、どんどん内(内角)にいかなきゃいけない。甲子園は広い。高さとかコースどっちか頑張れば、そんな簡単にホームランが入ると思わない」

 度重なる故障を乗り越えて復活を果たした背番号29に怖い物はない。この逆境もはね返す。 (遠藤 礼)