シュートを放つ札幌・サンチェス(カメラ・砂田 秀人)

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 J1北海道コンサドーレ札幌のスペイン人FWジョルディ・サンチェス(29)が、初の先発ピッチで2連勝へと導く。札幌は3日、アウェー・G大阪戦(5日)に向け、宮の沢で2日連続の紅白戦を行った。サンチェスは両日とも主力組に入り、公式戦10戦目で初スタメンの可能性が浮上。待ちかねた機会に「チャンスは当然増えるし、途中から出るより試合の流れにも乗れる。落ち着いて、楽しくプレーできると思う」。好結果につなげる自信はある。

 190センチの大型ストライカーは7月に加入。背番号9も託されたが、8月下旬には紅白戦からも外れる時期を過ごした。「自分自身に期待して、日本行きというチャレンジを決めたのに。試合に出られず、チームの力になれなかったことが本当に悔しかった」。笑顔が減り、練習場で仲間とぶつかり合ったこともあった。

 トンネルを抜けるため、己と向き合った。「生活リズムを崩さず、いい状態で全力を出して練習する。それを続けるしかない」。腐らず前向きに取り組み、9月8日のルヴァン杯・横浜FM戦で公式戦6戦目で初得点を挙げた。ペトロヴィッチ監督の信頼を勝ち取り、初先発が見える位置にたどり着いた。「出られない時期を乗り越えてメンタルは強くなった。より良い選手になれたと思う」。進化した姿は試合開始から見せる。

 札幌がJ1で戦った通算13年で、敵地での勝利は3日時点で49。「先発するだけではダメ。90分間チームのために戦って、勝ち点3を取るために得点を狙っていきたい」。J1残留へ何としても欲しい節目の1勝は、サンチェスがリーグ戦初得点で主役を張った先に見えてくる。

(砂田 秀人)