石破茂総理大臣は10月1日、総理官邸で就任会見を開き、リニア中央新幹線について「早期開業に向けて環境整備を行う」と前向きな姿勢を示しました。また、沿線だけでなく、日本全国に経済効果を波及させる必要性を語りました。

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1日に就任会見に臨んだ石破茂総理は、記者からリニア中央新幹線について問われ、いまだに着工に至っていない静岡工区の早期着工も含め、開業に向けた環境整備を行うと明言しました。

<石破茂総理>

「私といたしまして、岸田政権が進めてこられた方針は、踏襲をいたしてまいります。静岡工区の早期着工も含め、リニア中央新幹線の早期開業に向けた環境整備というものを行ってまいります。また、リニアというものが開業することによって、リニアが通る地域のみならず、 日本全国においてその効果が波及していくということを目指していかなければなりません。それは、リニアが通れば自動的にそうなるものではなくて、リニアが開業することが日本全体の発展に資するものだということを私どもとしてはきちんと実現していかねばならないものだと思っております」

また、リニア開通によって東海道新幹線の輸送に余力が出てくることを引き合いに出し、全国に経済効果を波及させるとしています。

<石破茂総理>

「リニアができるということによってさらなる経済効果が発現するために、例えて申し上げれば、東海道新幹線には輸送余力が生ずるものでございます。これをいかにして活用するかということも含めまして、リニアと地域だけが良くなればいいということではない、経済効果もきちんと見据えたリニアの早期開業というものを実現をいたしてまいりたいと思っております」

石破茂総理は総理就任後、初めて公の場でリニア中央新幹線について触れたことになります。

静岡県の川勝平太前知事は水資源への影響などを理由に、JR東海に対して静岡工区の着工を許しませんでしたが、今年就任した鈴木康友知事はリニア推進を掲げています。リニアをめぐって、国も静岡県も新しいリーダーのもとでどのようなかじ取りを行うのか、注目されます。