上野動物園のパンダ2頭が中国返還 大勢が別れ惜しむ

 【新華社東京9月30日】東京・上野動物園のジャイアントパンダ、リーリー(雄、中国名「比力」)とシンシン(雌、中国名「仙女」)が29日早朝、中国への帰途に就いた。成田空港からチャーター便で出発し、同日に四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターに到着した。

 2頭は2011年2月、貸与で上野動物園にやって来た。東日本大震災発生後の4月に公開された愛らしい姿は、日本の人々の心を温めた。2頭の間には17年に「シャンシャン(香香)」、21年に双子の雄「シャオシャオ(暁暁)」と雌「レイレイ(蕾蕾)」が誕生。シャンシャンは23年に中国に返還された。

 リーリーとシンシンはともに19歳と高齢で高血圧などの症状がある。より良いケアと治療のため、東京都と中国野生動物保護協会が話し合い、早期の返還を決定していた。最後の一般公開日となった28日には約2千人が上野動物園に集まり、別れを惜しんだ。

 来園者 吉田陽子さん

 会えたことはうれしいですが、自分の中で抑えてきた「ありがとう」と「さびしい」という気持ちが一気に爆発してしまいました。なるべく笑顔で最後をと思ってこらえていました。

 パンダ写真家 高氏貴博さん

 13年間も自分を支えてくれて、日本のみんなを明るくしてくれたことに「ありがとうございました」と伝えたいです。これからも中国で幸せに暮らしてほしいです。(記者/李光正、胡暁格、郭丹)