テレビ信州

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諏訪地方がロケ地となった是枝裕和監督の映画「怪物」、そして濱口竜介監督の「悪は存在しない」がこの週末に茅野市で開かれた映画祭で上映されました。上映後の舞台トークでそれぞれの監督が語ったこととは?

茅野市で29日まで開かれた今年で27回目の「小津安二郎記念蓼科高原映画祭」。今年は諏訪地方がロケ地となった映画なども上映され、県の元気づくり支援金を活用した監督を招いた舞台トークも実現。

茅野市民館には是枝裕和監督が登場しました。是枝監督は、諏訪地方で撮影した映画「怪物」が去年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。出演俳優の柊木陽太さんらと2年前に行った撮影の裏話などを語りました。

映画「怪物」では、柊木さん演じる登場人物が通う学校のシーンで諏訪市の旧城北小学校もロケ地に。実際に通っていた地元の小学生もエキストラとして参加しました。

是枝監督
「学校のシーンなので長時間拘束をしなければならないので申し訳ないんですけど、すごく懐かしがって学校のシーンを一緒につくっていただけたのがありがたかったし、うれしかったですね」

撮影は春と夏の2回、3か月ほどかけて行われたといい、諏訪エリアのおすすめの楽しみ方を聞かれた3人は…。

柊木陽太さん
「やっぱり四葉のクローバー探しが一番いいんじゃないですかね。僕も犬を飼っていてよく散歩に行ったりするんですけど、なかなかあんなに四葉があるところはないんで」

是枝裕和監督
「何度も撮影でお世話になっているから、何となく通りかかってごあいさつしてという場所がたくさんあるんだよね」

伴瀬萌プロデューサー
「皆さんが監督のことを「あ、おかえりー」みたいな感じですよね」

トークを通じて、地元への感謝を口にしていました。

一方、市内の旧映画館に現れたのは、濱口竜介監督。

濱口監督の映画「悪は存在しない」は、去年のベネチア国際映画祭で最高賞に次ぐ「銀獅子賞」を受賞。映像の8割が諏訪郡富士見町と原村で撮影されました。この作品は元々、音楽のコンサート用に撮り始めた映像が映画になったエピソードがあります。

濱口監督
「ビジュアルというか、一体何が映っているか、何かおもしろいものが映っているかどうかというのが大事だと思っていたので、まずは何が撮れるかというところから発想しているのが大きいと思います」

参加した人は
「よく車で通る森がこういうふうに映るんだなっていう。こういう景色を見る人たちはどういう思いでこの映画を最後まで見るんだろうというのが興味深く見ました」
「すでにものすごい活躍をされていると思うので、一作でも多くの作品を撮ってもらいたいなと思います」