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 ◇イースタン・リーグ 日本ハム6―10ヤクルト(2024年9月18日 鎌ケ谷スタジアム)

 日本ハムの二刀流・矢沢宏太投手兼外野手(24)が18日、2軍本拠の千葉・鎌ケ谷で行われたイースタン・リーグのヤクルト戦に「1番・左翼」で出場し、初球先頭打者本塁打を放った。2年目を迎えた二刀流の「打の刀」が進化を証明。チームはCS争いの最中だが、シーズン終盤での1軍再昇格に意欲を見せた。

 プレーボール直後、鮮烈な一発だ。矢沢も打った瞬間に確信し、ゆっくりと走り出した。初球先頭打者弾に「あ、いったなと思った。完璧でした」と満面の笑みを浮かべた。

 初回にヤクルト・阪口の143キロツーシームに反応。「試合の入りは真っすぐが多いので、そこを狙っていった」と打席に立ったことで、速球にも差し込まれずに対応できた。「調子はいいけど、シングル(安打)が多かった。物足りなかったので、長打が出て良かった」とうなずいた。

 シーズン序盤に1軍に同行していた時期は昨オフに経験した右有鉤(ゆうこう)骨骨折の手術の影響もあって投手に専念したが、6月24日のファーム合流後は二刀流を解禁。打撃フォームも足元から見直した。以前は軸足に乗せたまま体重移動をしていたが、「足踏みをするような感じ」と一度前足に乗せてから軸足に乗せ替えるように変更。これで下半身の安定にもつながり「ボールも見極めやすいし、打つポイントの幅も広がった」と手応えを口にする。

 チームはCS進出が目前に迫り、残り13試合とシーズンは最終盤を迎えているが、1軍再昇格へ「最後までそこを目指して、やるべきことをやっていきたい」と矢沢。1軍の輪に加わるため、2本の刀を研いでいく。(田中 健人)