「まれに見る弱さだった」球界OBも嘆かせた西武の低迷ぶり 指摘された「投打の誤算」「移籍組のパフォーマンス」
西武は歴史的な弱さとなっている(C)PHOTOAC
すでにシーズン最下位が決定している西武に明るい材料が見えてこない。
12日の楽天戦(ベルーナドーム)にはドラフト3位の杉山遥希がプロ初登板、初先発。来季を見据えた起用となる中、4回途中6失点で降板。初回、4回はともに自らの悪送球で失点とリズムの悪さも足を引っ張り、試合を作れなかった。
【誤算】優勝予想の西武ライオンズがまさかの最下位が確定!『よかったポイントは?』最下位に沈んだ西武ラインズについて語ります!
打線も12安打をマークするも序盤の大量失点が響き、4連敗、球団ワーストとなるシーズン最多の85敗目を喫した。
西武の低迷ぶりには球界内からも様々な考察の声が出ている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は12日に自身のYouTubeチャンネルに「【誤算】優勝予想のライオンズがまさかの最下位が確定!『よかったポイントは?』最下位に沈んだ西武ライオンズについて語ります!」と題した動画を更新。低迷した要因について独自の見解を語っている。
まず動画冒頭では高木氏がシーズンの順位予想をパ・リーグでは西武を首位としていたことに関して「申し訳ない」と懺悔した。
その上で「どうなっちゃったの? マジ期待してたけどな。投手力、半端ないもん」と強固な投手陣を擁することで上位に浮上すると見ていたと明かした。
チーム全体に関しては「打てんし、守れんし、選手は育ってないし」「まれにみる弱さだった」と三重苦を指摘する場面も。
またシーズン途中に巨人からトレードで移籍した松原聖弥に対しても厳しい目を向けた。
松原は巨人時代の2021年には135試合に出場、打率「.274」、12本塁打、37打点、15盗塁。その年限りで引退となった亀井義行氏(現巨人外野守備走塁コーチ)の背番号「9」を受け継いだが、翌年、結果を残せず、1年限りで背番号も返上となった。
一時は巨人でもレギュラーをつかみかけた俊足の外野手に関して、チームの期待も高かったが、6月下旬に移籍後は、24試合に出場し、打率「.123」と振るわず、8月13日に登録抹消となった。
高木氏は松原に対して「何をやっているのかな? これだけのチャンスをもらってな」と残念そうな表情を浮かべた。巨人在籍時からチャンスを与えてほしいと語っていただけに、移籍先でも結果が伴わないことに納得のいかない様子も見せた。
ほかにもヘスス・アギラ―、フランチー・コルデロといった新外国人野手に関しても「この2人期待したけどな」と思った働きを示せなかったことを誤算とした。
高橋光成の不振など投手陣の誤算とともに特にチーム打率、本塁打ともリーグワーストに沈む打線に関しては「4番候補すらファームにいない」として、若手野手の有望株が見当たらないことも、今後の再建への不安材料とした。この点にはドラフトで有望な野手をしっかり獲ってこなかったことも要因とした。
シーズン終盤において若手野手の佐藤龍世や西川愛也が存在感を示しているが「まだ足りないよな 野手が」として、「来季も苦しいと思うよ」と再建は容易ではないという見方も示した。
少ない好材料には3年目左腕、隅田知一郎が独り立ちしつつあることを認めた上で、自慢の投手陣が機能するためにも得点力不足など含め、攻撃陣の充実を図ることが大事とした。
すでに最下位が確定している西武だが、次期監督問題もクローズアップされる中、再建への道のりも引き続き注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]