おかずの量調整が難しいひとり暮らし。使い忘れた食材が冷蔵庫の奥から出てくることもしばしばあります。そこでマネしたくなる「冷蔵庫の収納ワザや使いきりテク」をご紹介。ひとり暮らしを楽しんでいる、ようさん、足立洋子さん、きんのさんにお聞きしました。

買い出し前、冷蔵庫を一度空っぽにするのがマイルール

子どもたちの独立を機に賃貸物件に住み替え、“持たないひとり暮らし”を楽しむインスタグラマー・ようさん(50代)。

【写真】整とんされた冷凍室

冷蔵庫は子どもたちと一緒にいる頃と同じものを使っているそうで、ひとり暮らしにしては大きいサイズかもしれません、と語ります。

買い物は週に1〜2回、なるべく冷蔵庫の中のものを使いきってから行くようにしています。たとえば、余っているタマネギでおみそ汁をつくったり、キャベツとツナ缶でサラダにしたり。

残り少なくなった食材でつくれるメニューを考えるのも、ゲームみたいで楽しいです。この習慣のおかげで、冷蔵庫の中のものをムダにしてしまうことがなくなりました。

多くのスペースを占めるのは、フル活用の「つくりおき」

冷蔵庫に必ず入っているのは、納豆、卵、キムチ、お豆腐、つくりおきしたおかずです。ひとり暮らしになってから自分のためだけに毎日料理をするのがおっくうになって始めました。

一度につくるのは、子どもたちと暮らしていたときと同じ量。それを保存容器に入れて4日くらいかけて食べています。時間がたっぷりあるときに、まとめてつくることもあれば、すきま時間にさっと1、2品つくることもあります。

使っている保存容器は、ガラス製のもの。においがつきにくいので洗うのもラクで、プラスチックより長もちするように思います。愛用しているのは、イケアやケユカ、ダイソーのもの。そのほか、ジップつき保存袋も浅漬けなどに活用しています。

あいた冷凍庫には非常用アイテムを収納

子どもたちと暮らしていた頃は、お弁当のおかずや軽食のストックとして欠かせなかった冷凍食品。ひとり暮らしになってからはほとんど食べなくなりました。

あるとき、「冷凍庫はすきまなく収納されている方が、冷凍庫をあけたときの温度上昇を防ぐことができて電気代の節約につながる」とニュース番組を観て知りました。そこで考えたのが、非常時に使うための水を入れておくこと。

500mLのあきペットボトルに水道水を入れて凍らせます。飲料用水は別に用意して保管してあるので、冷凍庫のお水は洗いものや観葉植物の水やりなど、非常時のたしになればと思っています。

※ おかずをつくりおきする際は、清潔な保存容器に入れて保存してください。保存状態によっては傷みやすくなることもあるので、保存期間内であっても早めに食べるようにしましょう

「面倒くさくない」冷蔵庫はストックでつくれる

主婦歴約50年で料理家の足立洋子さん。夫が亡くなり、子どもが独立し、4人家族からひとり暮らしへと世帯の人数は変わりましたが、料理や買い物の仕方にはそれほど変化はないのだそう。

「子育て中はとにかく時間がない! そこで編み出した時短料理の工夫にずっと助けられています。今も冷蔵庫には、おかずの素となる『ベース菜』のように、そのまま食べられたり、食材と合わせてすぐに1品が完成するストックが満載。クタクタな日もパパッと食事が完成します」(足立さん、以下同)

生鮮食品の冷凍ストックで買い物の手間もカット。“手間抜き”を可能にした冷蔵庫と冷凍庫の活用術とは?

冷蔵&冷凍ストックで調理の手間は最小限に

少量だけ残ったおかずや、保存が利くビンづめや冷凍の「ベース菜」がぎっしり。料理がおっくうなときも食事がパッとでき上がります。

●冷蔵庫は定位置を決めて使い漏らしなし

冷蔵室は段ごとに入れるものを決めています。

「肉や魚は冷凍庫保存なので、残りおかずやビンづめなどすぐ食べられるものが中心」

甘酢漬けやタマネギのドレッシング漬けなどビン入りの「ベース菜」は上下逆さまに。

「こうすると、しっかり漬かった方から食べられます」

●ご飯は1度に4合炊いて冷凍

ご飯はジッパーつき保存袋に180gずつ小分けにして冷凍。

「平たくして、冷凍室の上段トレーに。炊き込みご飯もあるので、来客時は『どれにする?』って選んでもらうことも」

50代おひとりさま、朝食は毎日同じでもいいことにする

団地で自分らしくひとり暮らしをしているきんのさん(54歳)。仕事や家庭、プライベートと忙しい日々を過ごしています。とくに朝は時間がなくて慌ただしいうえに、更年期で体調もイマイチ。

以前は朝ごはんを「ちゃんとつくりたいのに、できない」ことを責めていましたが、そこそこの朝食でいいと考え方を変えたら、自己嫌悪することも減ったそうです。

朝つくらず、夜つくる。忙しい朝でも温めるだけでいい

そこで、慌ただしい朝の時間に調理するのはやめて、前日の夜に朝ごはんを準備。晩ごはんのおかずとみそ汁を少し多めにつくり、アレンジして朝ごはんにすることもよくあります。

これなら忙しい朝に包丁を使うこともなく生ゴミも出ません。温めるだけなので朝食準備は5分程度。一汁一菜が基本、漬けものや佃煮などを合わせたら立派な朝食になります。

「出すだけ副菜ボックス」を冷蔵庫に準備

きんのさんは家事ラクの一環として、冷蔵庫から出すだけの「副菜ボックス」を用意しました。

漬物や納豆、佃煮、ふりかけ、ヨーグルトなど火を通さなくても食べられる朝セットを冷蔵庫に準備しておきます。

出し入れの手間が減り、なにもおかずがないときでも、ご飯とみそ汁、副菜で朝ごはんが食べられます。

理想とは少し違っても

一汁三菜の食事は理想だけれど、ハードルが高くて無理だった、と語るきんのさん。しかし、できない自分を責めずにそこそこでいいと考え方や方法を変えてみたら、時間と心にゆとりが生まれたそうです。

ごはんをつくっている時間がないと悩んでいるなら、理想通りでなくても自分なりのそこそこごはんで、スムーズに1日をスタートさせてみてはいかがでしょうか。