食洗機を手放し、暮らしやすくなったエピソードを紹介します。整理収納アドバイザーでESSEフレンズエディターの宮入京子さん(現在50代)のケースです。離婚をきっかけに賃貸アパートに引っ越し、必然的に手洗いになった経験から気がついたことや、現在食器洗いに使っているものなどについて語ります。

食洗機を手放して気がついた「手洗いのメリット」

約20年間、「食洗機は暮らしに欠かせないもの」と思い込んでいた私。たしかに食洗機はラクだし便利なのですが、手洗いをするようになってメリットがたくさんあることに気がつきました。

●食器の寿命が延び、選ぶ幅が広がった

食洗機は高温の熱や食器同士がぶつかって、食器が傷んでしまうのが早かったように感じます。とくにガラスのコップが細かいキズで白く濁ってきてしまい、割れてないのに買い替えることもありました。その点手洗いは、繊細なガラス製品やデリケートな陶器を傷つけることなく洗えるので、食器を長く使うことができています。

また、食洗機を使っていた頃は、陶器や木の皿は食洗機に入らないため使用するチャンスを逃していました。新たにキッチン道具や食器を購入する際も「食洗機OKか」を気にしなければなりませんでした。手洗いになってからは、自由に好きなものが使えるので、器を選ぶ楽しみが増えました。

●シンクに食器をため込まず、まめに洗うようになった

食洗機を使っていた頃は、ある程度の量の食器がないと作動させなかったため、シンクに汚れた食器をためてしまうことがよくありました。また、食洗機は入れ方など、ちょっとしたコツも必要なため、子どもには頼めないという欠点もありました。

手洗いになってからは、自然と洗いものが出たらその都度洗うようになり、キレイなシンクを保ちやすくなりました。子どもも簡単に洗えるので、気がついた人が食器を洗うシステムづくりもできています。

●スペースの確保と、メンテナンスの手間がなくなった

食洗機の分のスペースが空いたのはもちろん、食洗機用の洗剤を用意する、定期的に食洗機自体を洗うといった手間がなくなったのも大きなメリットです。ものが減ってシンプルな暮らしなったなと感じます。

「水きりカゴ」と「吸水タオル」の組み合わせが便利

食洗機を手放してからは、水きりカゴとして無印良品の「ステンレスバスケット」を使っています。シンプルでムダのない形、丈夫で清潔なステンレス。大人3人分の食器やお鍋など、見た目以上にたくさん入ります。もう2年以上使っていますが、サビなどの劣化もありません。

水きりカゴの下には、吸水タオルを敷いています。受け皿だと水を捨てたり、洗う手間がかかりますし、水アカにもなりやすいためです。

ジョージジェンセンのティータオルは、吸水力が高い優れもの。これまでタオルの外に水が漏れたことはありません。洗濯機で洗えるのでお手入れモラクです。食器は基本的に自然乾燥、乾いたらなるべく早く片づけています。

私にとって食器洗いは好きな家事ではありませんが、情報量の多い一日のなかで心を無にして食器を洗う作業を「心落ち着けるひととき」ととらえ、毎日の洗いものと向き合っています。