クライミング森秋彩、身長差で手が届かず0点... 英メディアも報じる「いじめ」の声
パリ五輪・スポーツクライミングのボルダー&リード複合種目女子決勝で、森秋彩選手の手がボルダー種目の第1課題で、最初のホールドに届かず0点となったことが波紋を広げている。これについて英紙「デイリー・メール」も報じた。
森選手は結果に悔しさにじませるも「素直に受け入れようと」
パリ五輪で採用されたスポーツクライミングの複合種目は、ボルダー種目とリード種目で得たポイントの合計で順位が決まる。ボルダー種目では、4〜5メートルほどの高さの壁に設けられた4つのコース(課題)があり、制限時間4分以内の完登を目指す。
その第1課題、身長154センチの森選手は、助走をつけ何度も挑んだものの、最初のホールドをつかめずに落下を繰り返し、制限時間内に登ることができず、ポイントを得られなかった。第3課題こそ完登したが、第2、第4課題で思うようにポイントを伸ばせず、39ポイントの7位でボルダー種目を終えた。
その後、制限時間6分以内で登った高さを競うリード種目で高得点をマークして巻き返すも、最終4位とメダルは逃してしまった。
SNSでは、森選手の果敢に挑む姿勢に感動したとの声が上がった一方、身長の低い森選手が掴めないホールドの位置設定に批判の声が続出した。
また、浜田聡参議院議員は2024年8月13日にXで、「皆様からのご意見を賜れればと思います。例えば、日本の関係者はIOC等に抗議をすべきかどうか、等」と問題提起した。
「デイリー・メール」は10日付けの記事で、「視聴者は、森選手が主催者から『いじめ』や『差別』を受けたと主張した」として、Xユーザーの次のような声を紹介した。
「スポーツクライミングは森選手がどのようにいじめられているかを示す典型例だ。オリンピックの舞台で背の低い人たちが不可能なことをやっているのを見るのは本当に腹立たしい。なぜ多様性を冗談にするのだろう?!」
「森秋彩選手にとって、こうしたことは初めてじゃない。彼女がルートセッターからこのように差別されるなんて、まったく言語道断だ」
「森秋彩選手は才能あるクライマーだが、ルートセッターが競技をスタートできないほど高いホールドを作ってしまったら、できることは限られる」
森選手は競技後、「(ボルダー種目の)得意なスラブができなかったことで表彰台も逃してしまったので、かなり悔しい思いが強いですけど、なるべくしてなった成績なのかなと思って素直に受け入れようと思います」と話した。