「葬送のフリーレン」キービジュアル
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

夜な夜なボンヤリ眺めていたTikTok。そこに公式の切り抜き動画が流れてきたことをきっかけに、気がついたら“1000年以上生きた魔法使い”ことフリーレンのフィギュアを2体もお迎えしていた。久しぶりにグッズを買うほどハマってしまったアニメ「葬送のフリーレン」の個人的“ツボポイント”をご紹介したい。

話題作なのでご存知のかたも多いだろうが、「葬送のフリーレン」は小学館「週刊少年サンデー」で連載されている山田鐘人(作)とアベツカサ(画)による漫画。勇者とそのパーティによって魔王が倒された“その後”の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。TVアニメ版は2023年9月から'24年3月にかけて全28話が日本テレビ系全国30ネットで放送された。

現在はAmazon Prime VideoやDisney+、Netflix、U-NEXTなどで配信中。

筆者は学生時代こそアニメ好きで毎クール、深夜アニメをチェックしていたのだが、最近は疎遠に。たまに見るアニメも「鬼滅の刃」のような超話題作程度で、それも「録画を貯めて一気見しよう」と思いながら、気がついたら新シーズンが始まっている……というような状態。なので、この葬送のフリーレンについても、「なんか名前は聞いたことがあるような」といった程度の知識しかなかった。

@anime_frieren 「まずは一匹」/『葬送のフリーレン』第8話「葬送のフリーレン」より #フリーレン #frieren ♬ オリジナル楽曲 - 『葬送のフリーレン』アニメ公式

そんな筆者が作品と出会うきっかけになったのが、上述したTikTokのアニメ公式アカウントに投稿されているふたつの動画。最初に目にした動画は、エルフらしきキャラクター(フリーレン)が魔族らしきキャラクターが作り出した糸によって“首吊り状態”になっている場面のもの。魔族が勝利を確信して笑みを浮かべると、エルフっぽいキャラが「今の魔族は駄目」と漏らした途端に反撃して形勢逆転。今度はエルフが魔族に馬乗りになって首に手をかけてしまう。そこで魔族が「待ってくれ!」と命乞いをしようとすると、それに耳を傾けることなくエルフが魔族を“成敗”してしまう。

これは第8話「まずは一匹」のワンシーン。わずか50秒の切り抜き動画だったが、初めて観たとき「最近のアニメは容赦ないなぁ」と思いつつ、ある意味“リアル”な描写が妙に頭に残ってしまった。

@anime_frieren 「お前の前にいるのは、千年以上生きた魔法使いだ」/『葬送のフリーレン』第10話「強い魔法使い」より #フリーレン #frieren ♬ オリジナル楽曲 - 『葬送のフリーレン』アニメ公式

そして、もうひとつの動画が第10話「強い魔法使い」からのワンシーン。漫画やアニメを観ている方なら察しが付くかもしれないが、魔族・断頭台のアウラとフリーレンが直接対峙し、「私は五百年以上生きた大魔族だ」と語るアウラに対し、「お前の前にいるのは千年以上生きた魔法使いだ」とフリーレンが返すクライマックスの場面だ。

フリーレンの言葉とともに描かれる巨大な魔力の柱、重厚な劇伴音楽が醸し出す迫力。そしてアウラに淡々と「自害しろ」と命じるフリーレンの存在感。「これ劇場アニメじゃなくてテレビアニメ?」という迫力に、初めて観た夜は眠気が飛んでしまったことを今でもよく覚えている。

そんな衝撃を味わったのが今年3月頭のこと。先の動画を目にした翌日には動画配信サービスで第1話から視聴を始め、そこで初めてこの作品が魔王亡き後の世界を描いていることなどを知った。

魔王亡き後の世界ということもあり、物語の世界は基本的に平和。先程の切り抜き動画のように激しい戦闘シーンもあるものの、基本的には平穏な世界でストーリーが描かれていく。その雰囲気が学生時代にどっぷりとハマった「けいおん!」にも近く感じられ、わずか2日ほどで、当時の最新話(第25~6話あたり)まで追いついてしまうほど“どハマり”してしまった。

勇者たちが魔王を倒すという目標を終えたあとの世界は、ゲーム好き、小説好きなら一度は想像したもの。また「ダンジョンはフロアすべてを探検し尽くしてから次に進む」など、RPG/アクションゲーム好きなら思わず頷いてしまう行動がしっかりと描かれている点も、ゲーム好きの筆者は思わずニヤついてしまうポイント。

なにより、メインキャラクターであるフリーレンの愛らしさがたまらない。千年以上生きた魔法使いということで経験・知識ともに豊富だが、朝は弱いし、ミミックだと分かっていても必ず宝箱は開けてしまうし……。

気がついたら購入していたフリーレングッズたち

そんなこんなで、気がついたらフィギュア2体に加え、ミミックに“もぐもぐ”されるステッカーまでゲットしてしまっていた。

原作漫画は現在も連載中で、アニメで描かれているのは現時点で刊行済みのコミックス14巻中7巻あたりだという。テレビアニメ第2期の制作にも期待がかかるが、8月時点では特に制作アナウンスなどはされていない。ただ裏を返せば、今なら全28話で今後に備えられる。まだフリーレン未見というかたは、夏休み/お盆休みを機会に、まずは公式切り抜き動画からでもチェックしてみてほしい。