水中でステレオ音楽鑑賞できる「軟骨伝導」とは。JASジャーナル夏号
日本オーディオ協会は、オーディオ・ビジュアル関連のニュースや新技術、協会会員による投稿などを掲載した「JASジャーナル 2024年夏号(Vol.64 No.3)」を公開した。骨伝導の発見から500年ぶりに発見された“軟骨伝導”や、バイオリンの自動演奏を実現する装置に関するレポートを読むことができる。
軟骨伝導とは、音が人の内耳に達するまでの経路の1つ。これまでの気導(第1の聴覚経路)、そして骨伝導(500年前に発見された第2の経路)に次ぐ、第3の経路として、細井裕司氏が2004年に発見した。
レポートでは、軟骨伝導の発見者である細井氏と、軟骨伝導を活かした音響機器を開発するベンチャー・CCHサウンド社の中川氏が軟骨伝導の特徴を紹介。従来の気導や骨伝導経路では実現できなかった、水中でステレオ音楽を楽しむ「水中音楽鑑賞」(現時点で水中音楽を実際に体験した人は世界で7人)といった新しい音楽ジャンルなども提案している。
バイオリン励振装置基本構造
また、Strings Audio Lab合同会社が現在開発をすすめている「弦楽器励振装置」のレポートも掲載。
弦楽器励振装置は、生演奏の響きを再現することを目的に、バイオリンの自動演奏を実現する装置。装置が実現すれば、著名なバイオリニストが収録したCDなどの音楽コンテンツを、バイオリンに取り付けた弦楽器励振装置に入力することで、あたかもそのバイオリニストがそのバイオリンを演奏しているかのように感じ、目の前に広がる自然な響きを楽しめるようになるという。
バイオリンに装着した励振装置の再生位置
このほかにも、今年6月22日・23日に行なわれたイベント「OTOTEN2024」の開催報告や、ミュンヘン・ハイエンド2024見学記、連載・個人会員に聞く、なども読むことができる。