おいしさアップがかなう「鶏胸肉」。少しの工夫で驚くほどしっとりやわらかに
高タンパクで低カロリーと栄養価が高く、さらにリーズナブルな価格がうれしい鶏胸肉。味つけや調理法を選ばず、少しの工夫でおいしさアップがかなうので大活躍すること間違いなしの食材です。今回は、おいしさがアップする鶏胸肉の扱い方と、「パサパサしがち」「マンネリになりがち」という鶏胸肉のお悩みを解消するレシピをご紹介します。
おいしさアップがかなう、「鶏胸肉」の扱い方
おいしさ、価格、栄養価と3拍子そろった鶏胸肉。パサつきを抑えるために調理方法を少し工夫すると、驚くほどしっとりやわらかに。料理家・笠原将弘さん監修の選び方や切り方、保存方法をマスターして、鶏胸肉をよりおいしく楽しみましょう!
●【選び方】肉の色とハリを確認して鮮度をチェック!
きれいなピンク色で肉にハリがあれば、新鮮な証拠。白っぽいものは鮮度が落ちているので避けた方がベター。ドリップが多く出ているものも、うま味成分が流れ出てしまっているのでNG。
●【保存方法】傷みにくいよう水分をよくふき取って
ほかの肉に比べて傷みやすい鶏肉にとって、雑菌などが繁殖しやすい水分は大敵。保存する際は、表面の水分をしっかりふき取ることが鉄則。なるべく早めに食べきることも心がけて。
●【切り方】繊維の見きわめがやわらかさの秘訣
鶏胸肉は加熱すると繊維が縮んでかたくなるので、やわらかく仕上げるには繊維を断つように切ることが最大のポイント。1枚の肉でも繊維の向きは部位によって異なるため、切る前によく確認を。
<1:皮をはぐ>
細い方の端から手でめくり、包丁で皮と肉を切り離しながらはぐ。はいだ皮にはうま味があるので、刻んで煮物や炒め物に使っても。
<2:3分割する>
繊維の向きは3方向に分かれている。まな板に皮のついていた面を下にして置き、繊維の向きごとに3つに切り分ける。
<3:繊維を断つ>
3分割した肉を、それぞれ繊維を断つように斜めに包丁を入れてそぎ切りに。こうすると、加熱してもやわらかな食感が楽しめる。
お悩み解消!「鶏胸肉」レシピ2品
火のとおし方や味つけのちょっとした工夫で、鶏胸肉がもっとおいしく楽しめます!
●パサつき&マンネリ解消!チキン南蛮
【材料(4人分)】
鶏胸肉 2枚(約600g)
キャベツ(千切り) 1/6個
カイワレ(3等分に切る) 1/3パック
万能ネギ 3本
ラッキョウの甘酢漬け(市販) 6個
A[マヨネーズ大さじ4 みりん小さじ1]
塩、コショウ 各少し
B[卵2個 小麦粉大さじ4 片栗粉大さじ2]
揚げ油 適量
C[しょうゆ、酢、砂糖、水各大さじ2]
ミニトマト 4個
パサつきがちの鶏胸肉は、余熱で火をとおすことでしっとり&ふっくらな仕上がりに。ラッキョウ入りタルタルソースの甘酢味と食感がいいアクセントになって、マンネリ解消にも!
【つくり方】
(1) キャベツとカイワレは水にさらして混ぜ合わせ、シャキッとしたら水気をきり、冷蔵庫で冷やしておく。
(2) 万能ネギは小口切りにし、ラッキョウはみじん切りにする。Aと混ぜ合わせ、タルタルソースをつくる。
(3) 鶏肉は厚みのある部分に包丁を入れてひらき、厚みを均一にする。塩、コショウをふる。
(4) ボウルにBを入れて混ぜ合わせ、(3)を加えて手でもみ込み、15分ほどおく。
(5) 揚げ油を170℃に熱して(4)を入れ、3分ほど揚げる。バットに引き上げて3分休ませ、肉の上下を逆にして再び油に入れ、さらに3分揚げる。ひと口大に切って器に盛り、混ぜ合わせたCを回しかけ、(1)、ミニトマトを添えて(2)をかける。
(笠原将弘)[1人分532kcal]
●パサつき&マンネリ解消!チキンステーキ ユズコショウクリームソース
【材料(4人分)】
鶏胸肉 2枚
塩、コショウ、小麦粉 各適量
サラダ油 大さじ2
白ワイン(または酒) 大さじ1
牛乳 1カップ
ユズコショウ 大さじ1/2〜1
粉ふきイモ 全量
鶏肉に小麦粉をまぶしてうま味と水分をとじ込めることで、しっとりとした口当たりに! ユズコショウがアクセントになったリッチなごちそうです。
【つくり方】
(1) 鶏肉は室温に戻して厚みを半分に切る。両面に塩、コショウ各少しをふり、小麦粉をまぶす。
(2) フライパンにサラダ油を熱し、(1)を並べ入れる。強めの中火で3分ほど焼いたら、表裏を返してそのまま2分ほど焼き、弱火にしてさらに2分ほど焼いて取り出す。
(3) (2)のあいたフライパンに白ワインを入れて鍋肌についたうま味をこそげ取る。牛乳を加え、とろりとするまで弱火で煮つめる。ユズコショウを加え、塩、コショウで味をととのえる。
(4) 器に(2)を盛って粉ふきイモを添え、(3)のソースをかける。
●粉ふきイモのつくり方
(1) ジャガイモ3個をひと口大に切り、水に10分ほどさらして水気をきる。
(2) 小鍋に入れ、ひたひたの水を加え、中火にかける。煮立ってきたらフタをして、弱火で8〜10分ゆでる。
(3) やわらかくなったら湯をきり、小鍋に戻し入れる。中火で余分な水分を飛ばし、塩少しで味をととのえる。
(大庭英子)[1人分335kcal]