つらい更年期の症状。読者アンケートで寄せられた、さまざまな更年期の悩みについて産婦人科専門医の高尾美穂先生が解説。さらに、更年期症状によるめまいやふらつきを緩和する生活習慣や、漢方アドバイザーの久保奈穂実さんによるおすすめの食事も紹介します。

更年期症状のQ&A

ESSE読者のアンケートで寄せられた、さまざまな更年期症状の悩み。産婦人科専門医の高尾先生にその対処法を教えてもらいました。

●Q:温度管理が難しくのぼせも冷えもつらいです

A:自分でできる対処を。冷たい飲み物にも気をつけて

夏は外と室内の温度差が激しく、のぼせと冷えの両方に悩むことも。羽織るものを用意する、ウェットティッシュで体をふく、顔を洗うなどの対策を。また、冷たい飲み物は胃腸を冷やし、不調の原因になるので注意して。

●Q:最近目覚めが悪いです。これも更年期症状ですか?

A:ぐっすり眠れていないのかも。セルフケアでうまくいかなければ婦人科の受診を

夜寝る前の2〜3時間は、パソコンやゲームなど脳に刺激的なことはできるだけ避け、リラックスして過ごしましょう。ホットフラッシュが原因でよく眠れないときは、婦人科でホルモン補充療法を受けると改善することも。

●Q:朝、理由もなく動悸がします。どうしたらいい?

A:起きるタイミングを工夫すれば、症状が改善するケースも

理由もなく動悸がするなら、循環器内科か婦人科の受診を。朝起きたときだけ動悸がする場合は、起き方がよくないのかも。スマホのアプリ「スリープサイクル」などを活用し、眠りが浅いタイミングで起きてみましょう。

めまいやふらつきを改善する生活習慣・食事

めまい・ふらつきの対策として、普段の生活で意識したいのは「起き上がるときはゆっくり起き上がり、急激な体勢の変化に注意。しっかり休んでリラックスし、心身のバランスを整えましょう」と高尾先生。

別の病気が原因のこともあるので、一度耳鼻科や脳神経外科で検査を 。

また、漢方アドバイザーの久保奈穂実さんによる、めまい・ふらつきの改善に期待ができる「牛肉と豆のトマトスープ」のレシピを紹介していきます。

●材料とつくり方(2人分)

(1) 鍋にオリーブオイル大さじ1を熱し、ニンニクのみじん切り1かけ分を加えて炒める。香りが立ったら薄切りのタマネギ1/2個と牛こま切れ肉100gを加え、炒める。

(2) トマトソース缶1缶(295g)、水200mlを加え、固形コンソメスープの素1個を加える。

(3) ミックスビーンズ缶1缶(100g)、くし形切りにしたトマト1個を加え、ひと煮立ちさせる。

<効くポイント>

「血(けつ)」を補う牛肉と、体にたまった余分な水を排出する「豆」。ふわふわとしためまいと回転性のめまい、どちらにも効くスープです。

●めまい・ふらつきにおすすめの食材

めまいには、ふわふわとしためまいと回転性のめまいが。「ふわふわとしためまいには『血(けつ)』を補う食材、回転性めまいには『水(すい)』の巡りをよくする食材がおすすめです」(久保さん)

【『血』を補う食材】

・赤身の肉や魚、ベリーなど赤いもの

・黒豆、黒ゴマなどの黒いもの

【『水』の巡りをよくする食材】

・豆類、海藻類、モヤシなど

【NG食材】

脂っこいもの、味の濃いもの、砂糖の甘味の強いもの、アルコールなどは胃腸を疲れさせ、「水」の巡りを悪くするので避けて。