大阪府の吉村洋文知事が、7月15日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演。吉村知事から大阪万博への「出禁」を宣言された、元テレビ朝日報道局員で同番組のコメンテータを務める玉川徹氏と対峙した。

「コーナーの冒頭、吉村知事が『万博を進めていく立場として、出禁発言をするのは間違っていた。玉川さんに素直に謝罪します』と発言すると、玉川氏は『謹んで謝罪をお受けいたします』と大人の対応を見せました。

 そのうえで、知事に『万博に反対の立場の人を排除する気持ちがあったのか』と聞くと、『多くの方に来ていただきたい。(批判する方に)来ていただきたくないという気持ちはありません』と明確に答えました」(政治担当記者)

 吉村知事の「出禁発言」騒動はこうして終止符が打たれた形になったが、SNSを騒然とさせる発言はこの後だった。番組は、万博の開催意義や問題点などについて、コメンテーターの石原良純氏、山口真由氏らも交えて議論が進んだが、玉川氏が鋭く突っ込んだのは「万博事業の責任の取り方」だった。

 これまで万博の会場建設費は当初予算の1250億円が2度にわたり見直され、現在は約1.9倍の最大2350億円になっている。これを「国」「大阪市・府」「経済界」がそれぞれ3等分して負担することになっているが、問題は「万博そのものが赤字になったとき、誰がどれだけ負担するのか」だ。

 玉川氏は「想定がいちいち甘い」と批判したうえで、この話題に踏み込んだ。

「万博の費用負担については、大阪府民がもっとも高く、『1人あたり2万7000円』と試算されています。吉村知事は番組で『新たに増税するとかではない。(一方で)経済効果は1人あたり18万円になる』としました。

 赤字負担については、『ルール上は博覧会協会が責任を負うことになるのですが、僕はそれは違うと思っていて。万博のためだけに存在する協会ではなく、国・大阪府市・経済界が(負担を)するべきだと思う』と見解を語りました」(同)

 しかし、万博を所管する自見英子万博担当大臣は、2023年12月12日の会見で、「政府として赤字を補填(ほてん)することは考えていない」と発言している。

「吉村知事はそのことにも触れて、『(自見大臣が)最初に言っちゃうとそこで(議論が)止まってしまいます。じゃあ、誰が負担するのかということですが、収支も決まっていない段階ですし、まだ(負担については)決まっていない』と発言して、玉川さんをのけ反らせました」(同)

 吉村知事は「最終的には政治家です」と自らの責任にも言及したが、「赤字負担を誰が負担するのか決まっていない」と明言したことに、玉川氏は「現時点で責任の所在が決まっていないのはおかしい」と指摘していた。

 このやり取りを受け、SNSでは唖然・呆然とする人が続出。Xでは、

《それにしても赤字の負担所在も決まってないとは。ほんとになにもかも杜撰》

《国は出さないと言っているし、今からでも止めるしかないな、万博》

 などの意見が噴出していた。あまりに “行きあたりばったり” だが、本当に大丈夫なのか――。