仙台大が総理大臣杯東北予選を3連覇!MF都築卓主将「全員にとって大きな自信になった」

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総理大臣杯東北地区予選決勝仙台大対富士大戦が13日に宮城・利府町内で行われ、延長戦の末に両者0-0で譲らずPK戦で5-3と仙台大が3連覇を飾った。昨季総理大臣杯で日本一に輝いた富士大に優れた技術とインテリジェンスで立ち向かった仙台大は、相手の猛攻をいなして接戦を勝ち切った。

鉄壁のブロックと鋭いカウンターの富士大とポゼッションを生かしながらサイドアタックで攻める仙台大。対極のスタイルを持つ両雄が死闘を繰り広げた。この日3バックの右センターバックで先発したMF都築卓(3年、柏レイソルU-18)主将は「自陣にブロックを引いてくる相手に対して、自分たちがどう点をを取りに行くのかという部分で、なかなか相手の堅いブロックを崩すことができずに点を取り取れない時間が多かったです」とこう着状態を富士大に作られて苦戦するシーンもあった。

それでも卓越した技術とアイディアに富んだ多彩な攻撃を持つ仙台大は、時間の経過とともにポゼッションフットボール(ボールを保持して正確なパスをつなげる攻撃戦術)と破壊力のあるサイドアタックで富士大を翻ろう。本職がボランチの都築主将は空いたスペースへのロングフィードやエッジの利いた縦パスで攻撃を活性化させた。

ロングフィードを展開する都築主将(右)

「焦れずに攻め続けてられました。富士大学さんはカウンター1本があったので、そこのリスク管理をはっきりすると意識してゲームを進められたと思います。自分はいつもボランチでプレーしているんですけど、きょうはセンターバックという中で引かれた相手に対してロングボールや、縦パスを刺すところを武器にやっています」と言葉通りのプレーで相手の守備組織の綻びをつくるプレーを見せた。

相手のカウンターの起点を激しい球際の守備で潰し、攻守において都築主将の存在は光るものがあった。キャプテンマークを巻いた背番号4は後半22分にピッチを下がったが、攻撃に手応えを得た仙台大の攻勢は延長終了まで続いた。そしてPK戦で5-3と決着がつくとイレブンは歓喜の輪をつくった。

今季から仙台大指揮官に就任した元日本代表FW平山相太監督は「『ずっと相手を見て戦いましょう』と言っているので、相手が攻めて来ていれば背後からのロングゴールを活用しますし、相手が攻めて来なければ自分たちでボールを運んで、あとは自分達の特徴が出るようにやっていましたね」とイレブンの働きを称賛した。

平山相太監督

昨季東北勢で全国大会初優勝を飾った宿敵富士大に勝利した指揮官、死闘を終えたイレブンは安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

全国大会に向けて大きな自信に

仙台大の総理大臣杯の最高成績は4強だが、昨季同杯初戦は中央大にPK戦の末に惜敗した。プロ内定者を5選手抱える近年屈指の世代を有していたチームの敗北、そして悲願の全国制覇をライバル富士大に先を超されてたため、悔しすぎる敗退となってしまった。

ただこの激戦を制した都築主将は「(富士大に勝利したことで)全員にとって大きな自信になったと思います」と胸を張る。

鋭い縦パスを前線に差し込む都築主将

昨季同杯初戦と同じPK決着となったが、全国制覇を果たした宿敵を打ち破っての勝利は格別だ。イレブンは最後まで集中を切らさずにボールを追いかけ、富士大を圧倒する内容を見せて優勝カップを高く掲げた。

東北王者として全国大会に乗り込むチームは、この勢いを初戦にぶつけたい。平山監督は「レギュレーションも変わって全チームが1回戦出場になっているので、いかに初戦を勝ち切れるか、そこで波に乗り切れれば。本当に初戦が大事だと思っています」と初戦突破に意欲を燃やば、攻守でチームのタクトを振るった都築主将は「今年入ってからチームとして全国で勝てるチームづくりをいままでやってきて、こうして東北チャンピオンという立ち位置で全国大会に出られる。自信を持ちながら全国でも勝てるようにやっていきたいです」と意気込んだ。

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東北では常勝と言われてきた仙台大だが、東北の大学サッカーのレベルの上昇により苦しむ試合も年々増えつつある。それでも絶対王者として横綱相撲で押し切る強さは健在だ。今季総理大臣杯で東北王者はどのような結果を残すのかに注目していきたい。