普段は会員制和食店という空間で、週末のみ営業して注目されている、六本木の『鮨 まさ』

スペシャリテの「トロたくおはぎ」を中心に、毎週テーマを変えたユニークなコースが楽しめる、いま話題の一軒だ!


照明を絞った漆黒のカウンターで、官能的な握りを好きなだけ頬張る奇跡

普段は会員制和食店という黒を基調とした空間で、週末のみ営業。広々としたカウンターに13席しか設けないのも贅沢。予約がなかなかとれないのも納得だ


今宵のテーマは「本まぐろ尽くし」。あの「やま幸」が卸す天然黒まぐろが何貫も登場して興奮するが、コースはひとり1万1,000円!タネが残っていればおかわり自由で追加料金もなしという大胆さにまず驚く。

お酒は持ち込みが推奨され、ひとり¥100で何本でも可。続けて衝撃を受ける。

『鮨 まさ』は2021年に立ち食い専門としてオープン。いわゆる間借り営業で、場所を変えながら予約を受けてきた。

週末のみの営業で毎週コースのテーマを変える設定はそのままに、着席スタイルになったのは昨年。


艶やかに輝くまぐろに赤酢の酢飯。「王道こそ正義」を痛感する

唯一の専属職人が里見一成さん。あの『龍吟』で和食を経験後、都内の人気鮨店などで5年間腕を磨いた俊英だ


まぐろは主に「やま幸」から、も変えず六本木に移った。他店で活躍する職人たちが、持ち回りでつけ場に立つのも不変。

「本物をお腹いっぱい食べてほしい」と全員が考えており、真剣に仕事に打ち込んでいる。

それゆえ握りはさすがの完成度。食べれば酢飯ははらりとほぐれ、タネの旨みと一体になって広がっていく。




テーマを毎週変える同店のスペシャリテが「トロたくおはぎ」。あの名店へのオマージュから誕生した。

口に入れれば脂の甘みを広げつつ、儚く消える。




「中トロ」は下田で揚がった本まぐろゆえの上品な脂乗り。

“角”の立った切り付け方も王道で、この日は他に「大トロ」や「突先」なども登場した。




江戸前握りには欠かせない「赤身」。

強い旨みをがっちりと受け止める赤酢の酢飯は、この店独自のあんばいでキレ良く仕上げられる。


週替わりでユニークな握りが登場!

「“超”熟成寿司」で供された「サワラ」は10日熟成の銚子産


別週のテーマも「“超”熟成寿司」「プリン体祭り」など、刺激的。

テーマにより変わる場合もあるが、コースは基本¥11,000で、握りのおかわりも含まれる。 お酒の持ち込みも大歓迎で、ふたりで何本持ち込んでも¥200と破格だ。

常時提供の「トロたくおはぎ」「中トロ」が象徴する本物をリーズナブルに食べられるだけでなく、デートの会話も確実に盛り上がる。こんな鮨店、他にない。


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