2日夕方、12歳少女が行方不明になった豪ノーザンテリトリー(北部準州)の小川「マンゴークリーク」。少女は家族と一緒に泳いでいたという(『Australian Broadcasting Corporation 「Human remains found of missing girl, 12, taken by crocodile in remote NT creek」(ABC News: Hamish Harty)』より)

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オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州)で4日朝、36時間前から行方不明になっていた少女(12)の遺体が発見された。家族と小川で泳いでいて、ワニ(クロコダイル)に襲われたとみられており、大きな衝撃が広がっている。豪ニュースメディア『Australian Broadcasting Corporation』などが伝えた。

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2日夕方、ノーザンテリトリーの州都ダーウィンの南西約360キロの位置にある、人口約360人の集落ナガンマリヤンガ(Nganmarriyanga、旧パランパ)近くの小川「マンゴークリーク」で、家族と一緒に泳いでいた12歳の少女が行方不明になった。

家族が行方不明届を出したのは午後5時30分頃で、ノーザンテリトリー警察によると、現場は原住民が主に住むナガンマリヤンガから約3キロの距離にあり、捜索には同コミュニティから30〜40人が参加した。捜索は川岸だけでなくボートやヘリコプターなどを利用した大掛かりなものだったが、行方不明から36時間後、少女の遺体発見という最悪の結末を迎えたのだった。

少女が姿を消す直前、現場では黒いワニが目撃されており、回収された遺体の状況から「少女はワニに襲われて死亡した」と確認された。

捜索を主導したノーザンテリトリー警察のエリカ・ギブソン(Erica Gibson)上級巡査部長は、その後行われた会見で「3日午後6時15分頃、上流で少女のTシャツを発見した。そして4日朝には、川床で少女の遺体が見つかった」と明かし、次のように述べた。

「これは家族やコミュニティなど捜索に関わった全ての人々にとって衝撃的なニュースだった。遺体の回収は特に陰惨で、悲しい結末となった…。この事故で『ノーザンテリトリーの河川には常にワニがいる』ということを再認識させられた。」

少女を襲ったワニは今も見つかっておらず、捕獲作戦は今後も継続されるとのことだが、このニュースには「なぜワニが生息するオーストラリアの小川で泳いでいたのか?」「なんて悲劇」「親は子供を監視していなかったの?」「ワニは素早いからね。米フロリダ州の住民なら分かるだろう」「家族のことを思うと心が痛む」「安らかに」といったコメントが寄せられた。

ノーザンテリトリーには、オーストラリアに棲む20万匹の半分にあたる約10万匹のワニ(クロコダイル)が生息しているそうで、イリエワニとオーストラリアワニの2種だという。凶暴な性格で知られるイリエワニの寿命は70年と言われ、乱獲で一度はその数が減少したものの、1970年代に狩りが禁止され、最近では体長が6メートルにもなるような大きな個体が増えているそうだ。

なおノーザンテリトリーでは昨年1月、カカドゥ国立公園で9歳の男児が遊泳中に、11月には農夫が湖で襲われて怪我をしていた。ただ今回のように致命的な襲撃は非常に稀で、2018年以来だという。

ちなみに昨年12月にはメキシコのビーチリゾートで、76歳の男性がサメかワニ(クロコダイル)に襲われて死亡した。襲撃に気付いたのはたまたま砂浜で撮影をしていた家族で、カメラは背後の海で手を振り助けを求める男性の姿を捉えていた。

画像は『Australian Broadcasting Corporation 「Human remains found of missing girl, 12, taken by crocodile in remote NT creek」(ABC News: Hamish Harty)』『The Mirror 「Remains found in search for 12-year-old girl ‘seen being attacked by crocodile’」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)