Photo: 小野寺

"118"番、これ、何の番号かご存知ですか?

海水浴シーズンが始まるこれから、覚えておきたいのがこの番号。118番は、海上で起きた事件や事故の、緊急通報用の電話番号です。

そして7月1日、NTTドコモは、海上保安庁とアウトドアブランド HELLY HANSENと協業し、118番をテーマにした限定コレクション、「118(イチイチハチ)」を発表しました。

ライフセイバーが着て、アピールする「118」って?

Image: HELLY HANSEN

現在、年間2,300名以上の海難事故者が発生しており、特に近年では、SUP(Stand-Up-Paddlebord)中の事故が増加傾向にあります。

118番は20年以上にわたり運用されている番号ですが、認知度は全体の約22%にとどまり、かかってくる電話のうち約99%がまちがいやいたずら電話となっているのが現状です。

こうした背景を受け、118番の啓蒙を目的に発表されたのが、このコレクションです。テーマは「海で命をつなぐ服」。これまで、海でも電波がつながることを目指してさまざまな対策に取り組んできたドコモと、アウトドアブランドとして海と関わる人々を支え続けているHELLY HANSENのコラボによって、プロダクトの開発を実現しました。

日本最多の海水浴客数を誇る、神奈川県藤沢市江ノ島海岸にある片瀬西浜・鵠沼海水浴場へ、第一弾となるTシャツ130枚を贈呈し、ライフセイバーや海の家従事者に着用してもらい、海水浴客への118番の啓発を目指します。

118をテーマにしたオリジナルTシャツ

Image: HELLY HANSEN
Image: HELLY HANSEN

Tシャツは、左袖に118の数字を大きくプリントしたデザイン。胸元には「In case of emergency at the sea, call 118(海の緊急時には118番をかけてください)」と書かれています。

背面には、大きな「Enoshima 118」の文字と、118番を発信した際にドコモの基地局と繋がる830MHz〜の波形をイメージして作られたデザイン、そして、海難事故にあった際の対応方法や海水浴の注意事項が印字されています。

コレクションの発表日である7月1日には、片瀬西浜・鵠沼海水浴場で、Tシャツの贈呈式が行なわれました。この日は同時に、本海水浴場の海開きの日。あいにくの天候に見舞われ、海も荒れている状況でしたが、待ち侘びた海開きの高揚感に包まれながら、130枚のTシャツが贈呈されました。

ドコモ x 海上保安庁 x HELLY HANSEN 海難事故減少を目指して

贈呈式の中、海上保安庁 総務部 政務課 政策評価広報室の室長、岡光氏はこのように述べました。

「近年、マリンレジャーが活発化、多様化しています。海で起きる事故から命を守るために海上保安庁では3つのお願いをしています。1つ目が、ライフジャケットの常時着用、2つ目が、防水パックに入れた携帯電話の携行、そして3つ目が、118番の活用です。

ファッションと啓発を融合した今回の新たな試みで、海の痛ましい事故が減ることを期待したいと思います」

また、株式会社ドコモCS 神奈川支店 ネットワーク部の部長 鈴木氏は以下のように語ります。

「これまでドコモでは、海難事故に対してさまざまな取り組みを行なってきました。118の視認性を上げるために、このTシャツではライフジャケットを着用した際にも、胸元と袖口の文字が見えるようにデザインしています。

デザイン性を高め、118を纏うように着こなしてもらうことで、認知を上げ、少しでも多くの命を救うことに貢献できるよう取り組んでいきます」

Photo: NTTドコモ

株式会社ゴールドウイン 事業本部 ヘリーハンセン事業部の部長 古賀氏は、このように話します。

「HELLY HANSENでは、"BE WITH WATER"というメッセージのもと、海の安全や環境の課題に取り組みながら、水で遊ぶ人を増やすというビジョンを掲げています。

今回のTシャツは、石垣島に漂着したペットボトルから作られました。118番が、110番、119番に続いて普及することを願っています」

これからの時期こそ、覚えておきたい118

晴れ渡る夏空の下、海に飛び込み楽しむ海水浴は、とても楽しいものです。一方、自然環境に左右される海には、危険性もあることを改めて心に留めておくことも重要でしょう。

海難事故にあった際、陸上とは違い目印の少ない海上では、現在地を正しく伝えることは簡単ではありません。118番は、緊急通報位置情報通知システムを活用し、おおよその発信位置を特定します。さらに、GPS機能を有効にしていれば、より正確な位置を知らせることができるため、海に行く際はぜひ事前に設定しておくことをおすすめします。

また、海上保安庁は聴覚や発話に障がいをもつ方を対象に、スマー トフォンなどを使用した入力操作で海上保安庁への緊急通報が可能となる 「NET118」も運用しています。

Photo: 小野寺

Apple Watchなど、耐水性能を備えたプロダクトは、海水浴時も携帯できます。海に遊びにいく際は、身につけておくといいでしょう。

海で楽しむ感情を害さず、さりげなく安全への意識を啓蒙させていく今回の取り組み。これから始まる夏シーズン、このTシャツが片瀬西浜・鵠沼海水浴場で見られるのが楽しみです。

2024年の秋ごろから、全国のHELLY HANSEN対象店にて、受注販売が始まります。今後は、第二弾として、9月頃より118のロゴをデザインしたジャケットやパーカー、トートバックなどのアイテムの販売開始が予定されています。

Source: NTTドコモ, NTTドコモ, 海上保安庁