フレンチベースの創作料理が人気を博していた、恵比寿のビストロ『小泉料理店』。

昨年10月に“大人の居酒屋”としてリニューアルし、店名を『食堂小泉』に一新!

和の要素を取り入れたフレンチを、ワイン片手に楽しんで。


日が落ちると、只者じゃない空気を纏った猛者たちが次々とこの暖簾をくぐる


「恵比寿公園」の向かいにある好立地ながら、かつては看板も出さずに営業。

店名を変えてからは、鯉の暖簾が目印に。鯉には小泉の“こい”と千客万来の“来い”の意味がある。



左が兄の洋さん、右が弟の裕さん。月に一度、焼き鳥店で修業した裕さんが料理を提供する「季節のおつまみと焼き鳥とお酒の日」を開催中。なんと¥10,000ポッキリ


「コロナ禍を経て、時間のかかるコースだけでなく、和の要素を入れたアラカルトやショートコースも取り入れ、気軽な雰囲気にしました」と店主の小泉 洋さん。

地元・葛飾の焼き鳥店で修業していた弟の裕さんが加わったこともパワーアップにつながった。


フレンチの技を駆使した美しきコースは味の重ねが秀逸


多彩なメニューの中で洋さんの真骨頂を味わえるのが「おまかせコース」。

洋さんはフランスでの修業経験もあるが、現在のベースになっているのがミシュラン二ツ星『新門前 米村』の米村昌泰シェフのもとでの経験。



「蝦夷鹿と焼き芋」はポワブラードソースで


「鱧もあればジビエもあり、鰹だしも取ればコンソメも取る」というシェフにならい、メインは鹿や鴨など正統派フレンチだが、付け合わせに2日間かけ、甘みを引き出した焼き芋を添えたり、コースに焼売やにゅうめんといった一品が織り交ぜられていて、楽しさ満載。




「ホワイトアスパラガスとコッパ」は、フランス産の苦みあるホワイトアスパラガスをうどに見立てた前菜。




「焼売」は『小泉料理店』時代からのスペシャリテ。

花山椒と赤ワインビネガーに浸したエシャロットがのせられている。




「牡蠣と赤茄子」は鰹だしの葛餡ソース、ニラのソース、フルム・ダンベールで和と濃厚なチーズソースが融合。それぞれの味が複雑に絡み、実に表情豊か。

料理はすべてコース8品(¥11,000)より。



ワインはフランスを中心にしたナチュラルワインを用意。少し寝かせて飲み頃で提供される。グラス¥1,000〜


じんわりと体に染み渡るナチュラルワインもグラスで用意されている。

正統派フレンチの魅惑のアレンジに洒脱なコース展開が楽しめて、1万とちょっととは脱帽というほかない。


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