押収品の数々(提供)奈良県警察本部

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警察やで。何やってんねん?」

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 マニア2人は憧れの仕事を「実体験」するため、警察官に成り済まし、偽造した警察手帳を「印籠」のごとく提示し、職務質問を繰り返していた。

 大阪府警警察手帳を自作し、職務質問をしたとして、奈良県警西和署は26日、大阪府高石市のトラック運転手、能塚翔悟容疑者(26)を公記号偽造・同使用の疑いで逮捕した。

 4月17日午後9時過ぎ、能塚容疑者は自家用セダンを改造した「覆面パトカー」もどきを運転し、仲間と大阪府堺市西区の浜寺公園に乗りつけた。2人はモデルガンや警棒を装着。公園でスケボーをしていた20代の男性4人に近づき、ニセの警察手帳を見せ、「警察やで」と声を掛けた。男性が「通報でもあったんですか?」とたずねると、能塚容疑者は「いやパトロール中、たまたま見かけたもんやから声を掛けただけや」と答え、男性から名前と連絡先を聞き取り、その場でメモ。「じゃあ、気ぃ付けてなぁ」と言い残し、その場から立ち去った。2人組は私服警官風のポロシャツにパンツといったラフないでたちだったという。

 能塚容疑者は運転手として配送会社に勤務し、奈良県西和署管内で荷物の積み下ろし業務を行っていた。約1カ月後の5月、事務手続きのため、配送会社が能塚容疑者の運転免許証を西和署に提出。職員が能塚の免許証を確認したところ、フォントがおかしいことに気づき、偽造が発覚。能塚容疑者は免許取り消し処分を受け、免許証を偽造した疑いで逮捕された。

 捜査員が能塚の自宅を家宅捜索すると、出るわ出るわ。ニセ警察手帳をはじめ、モデルガンやホルスター、レプリカの警棒、帯革、防犯と書かれた腕章などが次々見つかった。

「パトロールに使っていた覆面車両風の車内には赤色回転灯が置いてあり、サイレンのスイッチや車外に呼び掛けできるハンドマイクを設置するなど、緊急走行仕様に改造されていた。車の中には聞き取りメモが残され、そこに記された連絡先に確認すると、浜寺公園で職質を受けた男性が電話に出て、『警察官2人に声を掛けられた』『てっきり大阪府警の人やと思っていた』と驚いた様子で話した。2人は相手が素直に従う姿を見て、優越感を覚えていたようです」(捜査事情通)

 調べに対し「警察マニアとしての欲求を満たすために、警察手帳を偽造し、職務質問をしました」と容疑を認めている。

 能塚容疑者は今年1月、「大阪府警枚方署の野田」と名乗り、警察向けの専門業者から「大阪府警」とプリントされたブルゾンや帽子などを注文し、だまし取ったとして逮捕されている。当時、動機は転売目的とみられていた。

 警察官に憧れるのは個人の勝手だが、明らかに成りきり方が間違っている。