「もっとも口が臭い芸人」と呼ばれるクロちゃん

「もっとも口が臭い芸人」と呼ばれるクロちゃん、番組企画内での検査で「規格外の口臭」と宣告されたリリー、「口臭ネタ」を持つ大悟…芸能人も悩むのが口臭だ。

 実際、「口もとの老化」というと、口臭を思い浮かべる人も少なくないだろう。しかし、歯学博士の照山裕子氏によれば、「口臭以外にも老化現象は見受けられる」という。

「たとえば味覚の鈍化も老化のひとつで、この原因になりうるのがマウスウオッシュの乱用です。口臭対策に使う方が多いと思いますが、『マスキング効果』という一時的に臭いを遮断する作用しかありません。

 頻繁に使うと、常在菌を殺してしまうだけでなく、アルコールなどの成分によって口の中の粘膜が傷つくことがあります。舌にある味蕾が麻痺して味覚障害を起こすと、食べ物の味を感じられなくなる恐れもあります」

 では、正しい口臭対策にはどのようなものがあるのか。照山氏は、「糖分の入った缶コーヒーやたばこは口臭の直接的な原因になりますが、基本的に口臭の “おおもと” の多くは歯周病です」という。

 歯周病は歯の磨き残しが原因で進行するが、漫然と歯磨きをすればよいわけではない。ポイントは「歯間」だという。

「歯の間を磨くといっても、食後に爪楊枝で食べカスを取り除くのはNGです。爪楊枝ではうまく取れず、かえって詰め込んでしまう可能性があります。こうなってしまうと、歯の間に生ごみを抱えているのと同じで、悪臭の原因になるだけでなく、歯周病も進行します。

 硬めの歯ブラシも、歯茎を傷つけるのでNGです。歯周病ケアは、やわらかめの歯ブラシで歯と歯茎の境目を小刻みに磨くほか、デンタルフロスや歯間ブラシなど、歯間ケア専用のものを使いましょう」

 高齢者がなりやすい「酸蝕症(さんしょくしょう)」にも要注意だ。

「口の中が酸性になる時間が続くと歯のエナメル質が溶かされます。炭酸水や糖分が入った飲み物、お酒のだらだら飲みは口の中を酸性にする働きがあり、ダメージが蓄積されます。

 特に寝ている間は、口内の汚れを洗い流す唾液の分泌が少なく、細菌が繁殖しやすくなります。夜の歯磨きは念入りに、寝る前は口の中をしっかりゆすいで予防しましょう」

【男を老けさせる「口」のNG習慣】

×缶コーヒーとタバコで一服がルーティン
×口臭が気になるのでマウスウオッシュを愛用している
×歯ブラシの毛先は硬めが好き
×食べカスが挟まったら爪楊枝で取る
×晩酌はダラダラ長く飲み、そのまま寝てしまうことが多い

写真・本誌写真部、PIXTA