バッグブランドのBAGGUが画像生成AIのMidjourneyにデザインさせたバッグを発表して炎上
バッグブランドのBAGGUは2024年6月初頭に馬をかたどったバッグなどをリリースすることを発表しました。その後、これらのコレクションは予定通り発売されましたが、製品ページに「AI画像生成ツールの『Midjourney』を使用した」との免責事項が追加されたことから、ユーザーからはBAGGUに対する非難の声が挙がっています。
An AI-designed horse purse is tearing apart this small but passionate community - The Verge
BAGGUは2024年6月に「Horse Bag」や「Cargo Shoulder Bag」などのバッグを発売。これらのアイテムはニューヨークを拠点とする人気ブランドのCollina Stradaとのコラボレーションで実現した商品で、過去のコラボの際には販売開始から数分で完売するなど、多大な人気を集めていました。
しかし、発売当日になってHorse BagとCargo Shoulder Bagの商品ページに「製品開発チームは、過去のCollina Stradaを掛け合わせ、さらに進化させるツールとしてMidjourneyを使用しました。Midjourneyを使って2つのプリントをミックスした後、グラフィックチームはコンセプトを元にロゴの挿入や、新しい要素やレイヤーの追加を行い、デザインを完成させました」との免責事項が追加されました。
一部のファンからはAIの使用について批判が相次ぎ、Instagramの紹介ページには「失望した」「AIがデザインしたことを知っていたなら購入しなかった」などのコメントが寄せられています。
また、ユーザーからはAIが使われたことに対する透明性の欠如を指摘する苦情も寄せられているとのことで、海外メディアのThe Vergeは「買い物客は、分かりやすい注意喚起やもっと目立つ免責事項の掲示を望んでいたようです」と語っています。加えて、一部のユーザーからは「Midjourneyのような、同意なしにほかのアーティストの作品でトレーニングしたAIツールを使うのは窃盗と変わらない」として、道徳的な理由でコラボレーションに反対する意見が寄せられているほか、「環境への貢献」をアピールしているBAGGUが生成AIが抱える環境への影響を無視して今回のバッグの販売に踏み切ったことに対する懸念の声も挙がっています。
コラボ元のCollina Stradaは以前から生成AIをデザインツールとして使用しており、デザイナーのヒラリー・テイモア氏は「AIシステムに私たちの作品を何度も学習させると、どのような結果が生成されるかについて調査を実施しています」と語っています。
なお、BAGGUは今回の騒動についてコメントしていません。