片面を白、もう片面を黒に塗ったディスクを使って映像を映し出す「フリップディスク・ディスプレイ(磁気反転式ディスプレイ)」は、よく野球場のスコアボードや高速道路の標識に使われています。このフリップディスクをNVIDIAのキットなどを用いて自作した人物が現れました。

Flipdisc Display Build and Software Guide

https://flipdisc.io/

フリップディスクは、電磁パルスを利用して小さな円盤を回転させ、白と黒の2色で映像を表現するディスプレイの一種です。フリップディスクの技術自体は20世紀半ばからあり、21世紀になって有機ELや液晶ディスプレイが広く使われるようになった後も、強い日光で光が見えにくくなる屋外などで使われることがあります。

そんなフリップディスクを自作したのがGoogleプロダクトマネージャーのキャシー・コレベック氏。フリップディスクが動く様子は以下の動画で確認できます。

flipdisc display demo - YouTube

一見すると光によって映像が映し出されているように見えるディスプレイ。



実は大量のディスクによって表現されています。



ディスクの数は全部で3528枚。縦に42枚、横に84枚並んでいます。



映像はマイクロコントローラーとNVIDIAのOrin Nanoなどを使って映しだしているとのこと。スピーカーをつないで音を鳴らしたり、カメラからの映像を元に映像を出すこともできるそうです。

動作のためのJavaScriptライブラリはGitHub等で公開されています。

GitHub - kelly/flipdisc: A javascript library for flipdot and flipdisc displays

https://github.com/kelly/flipdisc

コレベック氏は「オフィス用の大きなウォールアートをデザインしたかったんですが、従来のスクリーンのLEDの輝きは好きではありませんでした。今回作ったフリップディスクは興味深い選択肢です。可読性が高く、寿命が長く、25〜60fpsを実現します。また、ディスクが反転するたびに窓を打つ雨のような音が鳴るという嬉しいおまけもあります」と述べました。