ChatGPTなどのAIを開発するOpenAIが、ロシアや中国などサポート対象外とする国のユーザーに「2024年7月9日(火)以降のアクセスをブロックする」とメールで通達したと報じられています。

Identifying API Keys with Traffic from Unsupported Regions - API - OpenAI Developer Forum

https://community.openai.com/t/identifying-api-keys-with-traffic-from-unsupported-regions/837837

OpenAI to pull plug on 'unsupported' nations from July 9 • The Register

https://www.theregister.com/2024/06/25/openai_unsupported_countries/

OpenAIがサポート対象外とする国のユーザーに送ったメールの文面が、OpenAIのコミュニティフォーラムに投稿されています。



上記のメールには「私たちのデータによると、貴社のAPIトラフィックが現在OpenAIがサポートしていない地域から発生していることがわかりました。サポートされている国と地域のリストはこちらでご確認いただけます。私たちは7月9日からサポートされていない国と地域からのAPIトラフィックをブロックするための追加措置を講じます。引き続きOpenAIのサービスを利用するためには、サポートされている地域からアクセスする必要があります」と書かれていました。いつまでブロックが行われるのかは示されていません。

また、クラウドプラットフォーム・Vercelのユーザーはオンライン掲示版サイトのRedditに、上記と同じメールをOpenAIから受け取ったと報告しています。Vercelはアメリカの企業ですが、Vercelのネットワークには香港を拠点とするエリアがあるとのこと。

"Our data shows that your organization has API traffic from a region that OpenAI does not currently support..." Anybody else got this email?
byu/many_hats_on_head inOpenAI


記事作成時点でアメリカやカナダ、EU諸国、アジア、アフリカの一部など、世界中の多くの国でChatGPTなどのサービスを利用することが可能。ただし、中国・ロシア・北朝鮮・イランなど、一部の国はOpenAIのサポート対象外となっています。

IT系ニュースサイトのThe Registerは、「今回OpenAIが中国を含む4カ国からのアクセスをブロックすると決定したのは、アメリカと中国の間で緊張が高まっていることが影響している可能性がある」と指摘しました。

また、中国・ロシア・北朝鮮・イランは大型のサイバー犯罪グループを複数抱えていることも影響していると考えられます。実際にOpenAIは、中国・ロシア・北朝鮮・イランのサイバー犯罪グループがフィッシング攻撃やマルウェア開発などにChatGPTを利用していたとして、問題のアカウントをすべてブロックしたと2024年2月に発表しました。

OpenAIとMicrosoftが「中国・ロシア・北朝鮮・イランのハッカーがAIを使ってハッキングしていた」と報告 - GIGAZINE



The Registerは今回のアクセスブロック措置についてOpenAIに問い合わせましたが、記事作成時点で返答を得られていないそうです。