兵士の体臭について話す高部正樹さん


【漫画】本編を読む

にしかわたく(@denguma4989)さんは2024年1月に「日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし 戦時中の軍隊の真実編」の書籍を発売して注目を集めている。元傭兵の高部正樹(@takabemasaki)さんから聞いた話をもとに描いた、リアルな戦争の現状がよくわかる作品だ。今回は書籍の中から「第一の戦闘 軍隊という場所で開花する!!」のエピソードを紹介するとともに、著者に戦地の衛生面などについても聞いた。

第一の戦闘 軍隊という場所で開花する!! 06


今回は兵士の「体臭」について話をしよう。高部正樹さんにとって初めての戦場はアフガニスタン。ここではお風呂に入る習慣がないらしく、水浴びをする程度と聞いていた。

08


普段は臭いが気にならないが、少しでも汗をかくと独特な香りが辺りを支配する。それはパキスタンの街の臭いだと思い出し、シシカバブを100倍ほど濃縮したような強烈な臭いなのだ。

09


そして、ミャンマーでは戦争中に毎日洗濯ができず、10日に1日のペースで戦闘服を着替えるという。汗をかいて服が乾く暇もないので、細菌が発生しやすく悪臭を放つ。

11


けれど、柔軟剤のようないい匂いは返って目立ってしまい、敵に気づかれやすくなってしまう。戦場では悪臭はOKでもいい匂いはNGなのだ!

15


さらに、ボスニアでは設備上の問題で、部隊の仲間と一緒にシャワーを浴びることになっている。彼らのワキガ臭が鼻を直撃し、脱衣場は一瞬で地獄と化すのであった…。

――傭兵たちは戦争中に洗濯をする余裕がないということは、衛生面などが心配だと思います。その点について、にしかわたくさんの意見をお聞かせください。

戦争では戦死より「戦病死」が多い。現代ではどの軍隊も、衛生には何よりも気を使っていると思います。けれど、高部さんが所属していたのはゲリラ側が多かったので、そうも言っていられなかったということなんでしょうか。戦争はやっぱり臭い、汚い、キツい…戦争反対です。

――アフガニスタンではお風呂に入る習慣がないようですが、それについてどのように思われますか?

世界一の風呂好き民族(あくまで個人的感想)の一員としては、とても耐えられる気がしません…。しかし、毎日入浴する習慣のある国って、おそらく少数派ですよね。欧米先進国で毎日シャワーが当然の国でも、洗髪は2〜3日に一度と聞きました。郷に入れば郷に従え、住めば都ってことなんでしょうね。

今回は兵士の「体臭」についてのエピソードをお届けした。戦争中はお風呂もろくに入れず、洗濯も限られて不衛生な状況が続くという。戦争についてもっと知りたい人は、この機会にぜひ読んでみて!

取材協力:にしかわたく(@denguma4989)