母国の聖地でプレーした久保。ブラスバンドが盛り上げた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 5月29日に開催された国際親善試合で、久保建英を擁するレアル・ソシエダ東京ヴェルディ国立競技場で激突。スペインから乗り込んだ前者が2−0で快勝を収めた。

 4万150人の観客が見守った一戦で、大きな注目を集めたのが、ブラスバンドによる生演奏だ。『Bling-Bang-Bang-Born』『パプリカ』『負けないで』『ルパン三世のテーマ』『Jupiter』といったお馴染みの曲が聖地国立を盛り上げ、特別感を演出した。

 プロサッカーでは異例で、SNS上で「運動会みたい」「放課後の練習感」といった声が溢れた環境を、東京Vの城福浩監督はどう受け止めたのか。試合後の会見で、「両チームのサポーターの声援があまりなく、バックスタンドではブラスバンドの演奏がありました。気になりませんでしたか?」と問われると、指揮官はこう答えた。

「ピッチ上では全く気にならなかったです。もちろん、Jリーグと違う少しイベント的な要素があるのは承知していましたが、我々が健闘することによって相手が本気になる、おそらくそれが比例していくと思っていました。我々が相手を本気にさせるには、自分たちの持てる力を出して際どい試合にすることが大事だったので、ピッチに立った22人はイベント的な要素はそんなに意識せずに、お互いがフルに近い力を出し合ったと思います」
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 また、食野亮太郎を兄に持つ大卒ルーキー、食野壮磨も気にならなかったという。「あまり気付かなかったです。プレーが止まっている時に何か流れてるなってぐらい」と語った。

 一方で、興味深い感想を伝えたのが、東洋大在学中で特別指定選手の新井悠太だ。世界トップレベルの選手と戦う上で、大きな力になったと明かした。

「本当になかなかない経験でした。ちょっとしんどい時間が結構あったんですけど、音楽を聴いて楽しめた部分はあったので。結構最近の歌がバンバン流れてきて、そこら辺はちょっと疲れたってなりながらも、『あっ(この曲)知ってんな』みたいになったので、良かったですね」

 今後もサッカー×ブラバンは実現するのか。少なくとも新井は歓迎の意を示している。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)