ソフトバンクから 他社への「乗り換え」多数??
2006年10月24日に始まったばかりの番号ポータビリティー制度(MNP)だが、ソフトバンクモバイル側のシステムの障害が発生し、2日連続で契約受付停止に追い込まれた。とばっちりを受けたNTTドコモとKDDIは連名で抗議、「ソフトバンクからの乗換えが多かったせいだ」と主張している。ユーザーからも「準備不足だ」「これこそ『予想外』だ」などと、批判が相次いでいる。
ソフトバンク側のシステムにトラブルが起きたのは10月28日午後。相次ぐ申し込みにソフトバンク側のシステムの処理が追いつかなくなり、ソフトバンクからNTTドコモやKDDI(au)に契約を変更したり、その逆の契約が出来なくなってしまった。29日朝にいったん受付を再開するも、午後0時10分には、再び受け付け停止に追い込まれた。
「新プラン好評のため」とソフトバンク
これを受けてNTTドコモとKDDIは「現在弊社からSBM社(編注: ソフトバンクモバイル)へ厳重な抗議を行い、システム回復に向けた早期対策と抜本的な対応を求めています」との告知をウェブサイトに公開した。
システム障害の原因だが、各社の言い分が食い違っているのだ。ソフトバンクは、
「新料金プラン好評につき、多くのお客様の申し込みが殺到したため」
としているのに対し、ドコモとKDDIは、
「ソフトバンクモバイル社(以下、SBM社)から弊社へ移転されるお客様の増加に伴い、SBM社のシステム処理遅延障害が発生したため」
としているのだ。ネット上では、ドコモとauの言い分を支持する声が多く、「(ソフトバンクから他社への)脱北者多数」と揶揄されている。
新聞各紙は、このトラブルの原因として「準備不足」を指摘している。ソフトバンクはMNP開始前日の10月23日、ソフトバンク携帯間の通話料金を無料にするなどの新料金制度を突然発表、事前に情報が漏れるのを防ぐため、社内にはほとんど知らされなかった。その分、販売店などの現場への新制度についての教育が不十分になった、という声だ。
なお、10月30日朝、ドコモとKDDI両社が「SBM社側でシステムへの負荷軽減を施す対応を行うことを確認した」と発表し、現在ではMNPの受付業務は再開されている。