小棹将太容疑者(本人Facebook)

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《私たち家族は大切な娘を思いがけない出来事で失い、ただただ悲しい気持ちです。この状態を受け止めることは難しく、混乱の中にいます》

【画像】容疑者に発覚した12年前の“告白”、死体遺棄の現場など

 山梨県甲府市に住む被害者A子さん(40)の遺族は、犯罪被害者支援団体を通じて、こんな痛々しい胸の内を吐露した。

 ゴールデンウイーク最中の5月2日、山梨県警捜査一課と同甲府署は、甲府市に住む団体職員の小棹将太容疑者(35)を死体遺棄の疑いで逮捕した。小棹容疑者は4月30日ごろ、『山梨県農業信用基金協会』の同僚であるA子さんの死体を、同県巨摩郡身延町の河川敷に遺棄したというもの。

「30日、A子さんは退勤後、行方不明に。翌日に家族が行方不明者届を警察に提出すると、警察がその日のうちに小棹容疑者を任意で事情聴取。容疑者が犯行を自供しました」(全国紙社会部記者)

 小棹容疑者の供述によって、勤務先からおよそ40キロも離れた身延町の山間の湯沢橋の下で、湯沢川のほとりの草むらから、寝袋に包まれたA子さんの死体が発見された。

「殴った」供述も死因は頸部圧迫による窒息死

「犯行当日、小棹容疑者はA子さんより早く退社して、付近の駐車場で、A子さんを待ち伏せしていた。その様子が防犯カメラに映っていたようです。以前からA子さんは“(容疑者から)つきまとい行為を受けている”と職場に相談していた」(同・社会部記者)

 小棹容疑者は警察の取り調べに対して、

「2人で話をしようとして、仕事帰りに声をかけたが、拒まれたので殴った。動かなくなり、殺したと思って車に乗せて遺棄した」

 などと容疑を認めているというが、

司法解剖の結果によれば、死因は頸部の圧迫による窒息死であり、殺害方法が供述と食い違う。他にも矛盾する部分があるため、衝動的ではなく、計画的に凶行におよんだ可能性も否めない」(前出・社会部記者)

 小棹容疑者はどんな人物なのか。

 容疑者とA子さんが勤める同協会に話をきこうとするも、

警察の捜査に協力していて、まだ捜査中の段階なので、お話することはできません。また、職員を2人も失って業務に支障をきたしている状況でもありますので……」

 とのことだった。小棹容疑者の身勝手な犯行で被害者となったA子さんは、地元の資産家のお嬢さまだった。

「小学校のころまでしか覚えていないけど、温厚で、しっかりした娘さんでした。実家は祖父の代から60年近くやっている工具店で、昔は従業員が10人ぐらいいた」(近所の住民)

 両親と兄の4人家族。兄は結婚して家を出て独立しているが、

「跡継ぎのお兄さんは両親と一緒に働いています。A子さんも実家で働けたはずだと思うけど、地元の銀行に勤務していたね。10年ほど前から、現在の職場に移ったと聞いた」(同・住民)

A子さんは「とても頑張り屋さん」

 早朝から車を運転して職場へと向かい、帰宅は深夜にもおよんだという。

「とても頑張り屋さんに見えましたよ。仕事一筋だったからなのか、ずっと独身のままでしたね」(別の近所の主婦)

 4日に通夜、5日に告別式がしめやかに行われた。

「ひとり娘さんがあんな惨い殺され方をしたからでしょうね。両親は肩をがっくりと落とされていて、かける言葉さえなかった……」(前出・住民)

 一方、小棹容疑者は、勤務先から車で約5分、1.6キロほど離れた家賃月4万円ほどの築19年、2階建てのワンルームマンションに住んでいた。

「5日だったか、警察が2人、ミニパトカーで来て、部屋に黄色い規制線を張っていきましたね。容疑者はまったく知らない人です」(近隣住民)

 同マンションの住人も大半は知らなかったが、1人だけ顔見知りがいた。その住民によると容疑者は4年ほど前に引っ越してきたという。

「独り暮らしでしたよ。中肉中背で、おとなしくて真面目。だいたいこちらから挨拶すると、返してくれるという感じで、口数は少なかった。毎朝、スーツ姿で車通勤していましたね」(同・住民)

 容疑者本人のSNSによれば、福井県出身で、12年前に結婚して子どももいたが、その後、離婚。心機一転して、見知らぬ土地で再出発を図っていたようだ。許されない凶行に走った容疑者に一体何があったのか。捜査の進展が待たれる。