情報端末は教育をどう変えたのか?−−教育改革の旗手・工藤勇一先生に聞いてみた
元横浜創英中学・高等学校長で、2014年から2020年3月まで千代田区立麹町中学校長を務め、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止等の教育改革を行い、教育関係者やメディアの間で話題となった工藤 勇一先生。そんな工藤先生が監修を務めた『家庭・学校・社会みんなに知ってほしい 教育について工藤勇一先生に聞いてみた』(Gakken・刊)。
目まぐるしく社会が変容している現在、教育観は大きくアップデートしていく必要があります。本書では、家庭・学校・社会のみなさんが持つ教育の悩みの数々を、常識を覆して日本の教育を牽引してきた、工藤勇一先生がイラストでわかりやすく解説しています。
今回は本書より『全生徒が情報端末を持ったことで教育はどう変わりますか?』について抜粋して紹介していきます。
自分に合った学習効率の高い学びがしやすくなる
今、ものすごい速度で学びのあり方は変わっています。たとえば、私は毎朝英語の勉強をしています。教材はスマホのみ。読み書きの学習はDuolingo、グーグル翻訳、ChatGPTの3つがあればほとんどのことができます。これらは、10年前には想像もしていなかったことです。そして、その大きな変化は学校教育も巻き込んでいます。GIGAスクール構想で全生徒に情報端末が行きわたり、自分なりの学び方やペースで勉強しやすいインフラが整いました。
横浜創英で試験導入している英会話ΑΙ「LANGX speaking」(早稲田大学発スタートアップが開発)は、話者の英語力をリアルタイムで評価し、レベルに合った自然な会話をしてくれます。このすばらしい技術は、教育の現場に一石を投じることになるでしょう。
前職の中学校でΑΙ型教材を試験導入したとき、中学3年間の数学を早い子は9か月で終える効率のよさに驚いたものです。それと同時に、元数学教員としては一斉授業が子どもにとっていかに非効率であるかを痛感させられました。
端末の性能の問題や通信環境の問題など、インフラ上の課題もまだ多く残されていますが、こうした革新的な学習ツールは、個別最適な学びの選択肢を広げるために積極的に導入することが大切です。情報端末を持っていること自体には意味はなく、どんな学習環境を子どもに提供できるかを考えていきましょう。
【KEYWORD】
GIGA スクール構想:全国の小・中学生に一人1台教育用端末を整備する国家事業。2019年開始。コロナ禍で前倒しが進み2021年にはほぼ完了。
【書籍紹介】
家庭・学校・社会みんなに知ってほしい 教育について工藤勇一先生に聞いてみた
監修:工藤勇一
発行:Gakken
目まぐるしく社会が変容している現在、教育観は大きくアップデートしていく必要があります。家庭・学校・社会のみなさんが持つ教育の悩みの数々を、常識を覆して日本の教育を牽引してきた、工藤勇一先生がイラストでわかりやすく解説します。
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