椎名桔平、宮崎駿初監督アニメの舞台化作品『未来少年コナン』は 「大人にこそ観てほしい作品」ーー取材会オフィシャルレポート
5月から東京、6月から大阪で上演される舞台『未来少年コナン』に出演する椎名桔平が4月25日(木)にカンテレ本社(大阪市・北区)で取材会を開き、本作にかける意気込みを語った。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。
『未来少年コナン』は、日本アニメーション制作により1978年に宮崎駿が初監督したアニメーションシリーズ。躍動感あふれる描写や世界観など、その後の宮崎作品へと受け継がれている要素がぎっしり詰まった名作として知られている。また、地震や津波などの自然災害や戦争、エネルギー問題などが物語に取り入れられており、現代にも通じるテーマを冒険活劇として表現し、子どもから大人まで、老若男女問わず長きにわたり多くのファンに支持されている。そんな宮崎駿の原点とも言える作品を2024年夏、初舞台化。主人公のコナンを加藤清史郎、ヒロインのラナを影山優佳、そして椎名はコナンの育ての親・おじいとラナの祖父ラオ博士の二役を演じる。
椎名桔平
自身として、初となる一人二役での舞台出演。役どころについて「まず、おじいは主人公コナンと血がつながっていないけど、コナンを育てている人物。コナンは人間の希望の代表のような存在で、『そんな人物を育てるおじいちゃんって、どんな人なんだろう?』ということを役作りとして考えています。そして、おじいだけが地球が滅びつつあることを知っていて、そのことを自分がいなくなるときにコナンへ伝える、継承していく。大事なことを下の世代へ伝える、ここが1つのキーポイントになると思っています。一方、ラオ博士は地球を滅亡させられる兵器を考えた人。その兵器が悪用されて地球が破壊されたことに責任を感じていて、人々が以前のように暮らせるように、何とか地球をよみがえらせようとしているけど、この人も最終的には消えていく。孫娘のラナにいろんなものを託して消えていきます。おじいもラオ博士も、“大事なことを下の世代に伝える”という役割は一緒なんです。」と物語のキーマンとなるキャラクター2人の共通点を語り、続けて「おじいもラオ博士もだいたい60代~70代ぐらいの年齢かなと思っていますが、この年代の役をやったことがないんです。なので、舞台空間でそう見えるように練習中です。」と初めてだらけの本作への期待をにじませた。
椎名桔平
そんな椎名は現在59歳。今年7月に60歳を迎える。演じる役の年齢へと近づきつつあることについて「『いよいよ60か…』と考えていますね(笑)。若いときは、50歳はおじいちゃん、60歳なんておじいちゃん以外の何物でもないと思っていたんですけど、実際自分が60歳を迎えるようになって、気持ち的にはあまり変わらないなと思っています。肉体的にも精神的にも変わっていないのが現実。あまり考えずに60歳を迎えたいなと思います。みなさん、“椎名桔平(60)”と書かないでくださいよ! まだ59歳なので(笑)」と会場を笑わせる場面も。
宮崎駿の世界観を今回、舞台へと昇華させるのが、日本ではミュージカル『100万回生きたねこ』や村上春樹原作の『ねじまき鳥クロニクル』などを手がけ、その唯一無二の空間演出で観客を魅了し続けている演出家インバル・ピントと、脚本・演出・パフォーマーなど表現者として多彩な才能を持つ演出家ダビッド・マンブッフ。海外の演出家が作り上げる舞台『未来少年コナン』の魅力について「海外から見た宮崎駿先生の世界観がこう見えるのか、と新鮮に感じられる演出をされています。物語をつむぐのは芝居ではあるのですが、ダンスのシーンがあったり、歌のシーンがあったり、芝居以外の部分で世界観が豊かに広がっていく。『そういう表現をするのか!』 と驚いています。そして演出家のお二人がパフォーマーというバックグラウンドを持っている方だから、非常にアーティスティックな志向を感じます。アニメの世界から、いかに芸術的な舞台空間を作り上げられるのかに注目していただきたいです。のこされ島、バラクーダの船内、インダストリアの工場の街…空間の変化のつけ方が違うなと。ダンサーたちの身体表現でもって次に行く、そういう転換の仕方が普通の舞台と違うなと。非常に新鮮なイメージを受けています」と刺激を受けている様子。
椎名桔平
最後にこの作品を楽しみにしているお客さんへは「タイトルに騙されたらアカン! です(笑) 『未来少年コナン』というタイトルから、子ども向けの作品かと思いきや、大人のみなさんにこそ観ていただきたい作品です。国同士の争い、エネルギー問題など、どんな時代になっても変わらない、人類と地球の根幹にある世界情勢や問題をこの作品は描いています。ぜひ大人のみなさんに、そして大人が子どもを連れて、劇場に来ていただきたいです」とメッセージを送った。
舞台『未来少年コナン』は、5月28日(火)から始まる東京公演を皮切りに、大阪公演は6月28日(金)~30日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。作品誕生から約半世紀の時を経て、舞台として新たによみがえる宮崎駿不朽の名作。この夏注目の舞台をぜひ劇場で!
椎名桔平
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