写真=宮川舞子

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2024年4月25日(木)東急シアターオーブにて、ブロードウェイミュージカル『CHICAGO』東京公演が開幕。オフィシャルレポートが到着した。東京公演は5月5日(日)まで。好評につき、立ち見席の販売がスタートしている。当日券も若干数あり。

人気海外ドラマ『glee/グリー』のシュースター先生で知られるマシュー・モリソンが敏腕弁護士ビリー・フリン役で登場するブロードウェイ・ミュージカル『シカゴ』の東京公演の幕が開いた。

数々のブロードウェイ作品の舞台に立ってきたモリソンだが、『シカゴ』への出演は今回の来日公演が初めて。長身で黒いタキシードをビシッと着こなし、すかした感じが実にスマートなビリー・フリンの誕生だ。ダンスで鳴らした人だけに、動きも洗練されており、ダンス・ナンバーでの颯爽とした踊りも非常に目を引く。

ヴォードヴィル(歌、踊り、寸劇などを組み合わせた娯楽演劇)形式で作られ、ヴォードヴィルへのオマージュがふんだんに盛り込まれたこの作品の根底にはシニカルなショービジネス讃歌が流れているが、モリソン演じる弁護士ビリー・フリンが女囚ロキシー・ハート(サラ・ソータート)と「法廷で俺の言う通りにしろ」「みんなが観たいのはスターの私よ!」みたいな会話を交わしているのを見ると、……大人になりきれていない演出家とスターもこんな対立していそうだな……なんて思ったり。

そんなあれやこれやを乗り越え、ロキシーとヴェルマ(ミシェル・アントロバス)が女殺人犯コンビを組んで華麗に歌い踊るラストについホロリ。音楽監督ジョン・モートンのもと奏でられる楽曲も魅力が存分に引き出されていて、名作ミュージカルの名作たるゆえんを雄弁に伝える舞台となっている。

写真=宮川舞子

写真=宮川舞子

取材・文=藤本真由(舞台評論家)