〈ChatGPT〉で英単語の「定着率」を劇的に高める“2つの活用法”【専門家が解説】
どうしても覚えるのに苦労してしまう英単語はありませんか? そんなときは、「ChatGPT」を活用することで、効率よく単語の定着率を上げることができます。「AI活用コミュニティ」代表の谷口恵子氏の著書『AI英語革命 -ChatGPTで英語学習を10倍効率化-』(リチェンジ)より、詳しく見ていきましょう。
ChatGPTに「単語を指定」し、英語の例文を作成してもらう
なかなか覚えられない単語や、試験などのためにどうしても覚えたい単語が決まっているとき、それらを含む英文を作ってもらうと覚えやすくなります。英文で単語を覚えると、意味を暗記するだけでなく、その単語の使い方も含めて覚えられるので実践的です。ChatGPTに特定の単語を含んだ英語の例文を作ってもらいましょう。
【ユーザーの質問】
次の単語を使った英文を一つずつ作ってください。日本語訳も教えてください。
appreciate
concern
facility
instantly
refund
【以下、ChatGPTの回答】
1.I appreciate your help.
あなたの助けに感謝します。
2.His health is a major concern.
彼の健康は大きな懸念事項です。
3.This building is a state-of-the-art facility.
この建物は最先端の施設です。
4.She instantly recognized him.
彼女は彼をすぐに認識しました。
5.If you are not satisfied, we will give a full refund.
もし満足いただけない場合は、全額返金します。
指定した単語はそれぞれ、「appreciate(感謝する)」「concern(心配)」「facility(施設)」「instantly(すぐに)」「refund(払い戻し金)」という意味です。それぞれ例文を作ってくれました。
プロンプトでは、「英文を一つずつ作って」と指示しましたが、これを入れないと、指定した単語を全て含む長い文を出してくる可能性があります。それはそれで面白いのですが、長い文だと覚えづらいですし、例文として不自然だったりよくわからない内容になってしまっていたりするので、英文は一つずつ作ってもらうほうがおすすめです。
ChatGPTに「単語テスト」を作ってもらう
さて、ChatGPTを使った英単語暗記の進め方を紹介してきましたが、どれくらい覚えたのかを自分で確認するのはなかなか難しいのではないでしょうか? いつも見ている単語リストを使って、日本語訳のほうを隠して単語の意味がわかるかをチェックする人は多いと思うのですが、これでは本当に意味を覚えているわけでなく、並んでいる順番で暗記してしまっているかもしれませんよね。
そこで使えるのが、「ChatGPTに単語テストを作ってもらう」という方法です。ChatGPTに頼めば、テストでよく見るような4択の空欄補充問題が一瞬でできあがってしまいます。
では、どんな問題ができるのか実際に見てみましょう。
【ユーザーの質問】
英語の4択の空欄補充テストを作ってください。
・選択肢のうち1つだけ正解で、他の3つは不正解になるようにしてください。
・以下のいずれかの単語が正解になるようにしてください。
・正解は最後にまとめて教えてください。
Efficient
Clarify
Objective
Retain
Distinction
【以下、ChatGPTの回答】
以下に、各単語を正解に持つ4択の空欄補充テストを作成いたします。
1.In order to use resources properly, it's important to make the system more _______.
a.Complex
b.Fast
c.Clumsy
d.Efficient
2.To avoid misunderstandings, it's important to _______ all details before signing a contract.
a.Clarify
b.Hide
c.Ignore
d.Distract
3.Being _______ is essential when conducting a scientific experiment to avoid bias.
a.Emotional
b.Subjective
c.Objective
d.Prejudiced
4.The ability to _______ information for a long period of time is essential for effective studying.
a.Erase
b.Retain
c.Misplace
d.Forget
5.To influence public opinion, some media outlets may _______ information in favor of their agenda.
a.Reject
b.Reveal
c.Disregard
d.Manipulate
以下が各問題の正解です:
1.d.Efficient
2.a.Clarify
3.c.Objective
4.b.Retain
5.d.Manipulate
【日本語訳】
1.リソースを適切に利用するためには、システムをより _______ にすることが重要です。
a.複雑な
b.速い
c.不器用な
d.効率的な
2.誤解を避けるためには、契約を結ぶ前に全ての詳細を _______ することが重要です。
a.明確化する
b.隠す
c.無視する
d.散漫にする
3.科学実験を行う際には、バイアスを避けるために _______ であることが必須です。
a.感情的な
b.主観的な
c.客観的な
d.偏見を持つ
4.長期間にわたって情報を _______ する能力は、効果的な学習に不可欠です。
a.消去する
b.保持する
c.置き去りにする
d.忘れる
5.一部のメディアは自分たちのアジェンダを優先するために情報を _______ することがあります。
a.拒否する
b.明らかにする
c.無視する
d.操作する
以下が各問題の正解です:
1.d.効率的な
2.a.明確化する
3.c.客観的な
4.b.保持する
5.d.操作する
こんな単語テスト問題が瞬時にできあがるなんて素晴らしいですよね。たとえば、平日毎日新しい単語を覚えていき、週末には、平日に覚えた単語をテストする問題をChatGPTに作ってもらい、どれくらい覚えているかをテストする、といったルーティンにすると、単語をどんどん覚えていくことができますね。
【プロンプトの型】
英語の(1)4択の空欄補充テスト(2)を作ってください。
・選択肢のうち1つだけ正解で、他の3つは不正解(3)になるようにしてください。
・以下のいずれかの単語が正解になるようにしてください。(4)
・正解は最後にまとめて教えてください。(5)
(問題の正解にしたい英単語を貼り付け)
(1)「英語の」と指定しないと、問題文を日本語で作ってしまう可能性があります。
(2)「4択の空欄補充テスト」と書けば、先ほどのような形式の問題を作ってくれます。テストの形式は自由に変えていただいてよいのですが、単語テストには「4択の空欄補充テスト」が最適だと思います。
(3)この指示を入れないと、選択肢のうち複数が正解になり得る問題が作られることがあります。
(4)覚えたい単語がある場合には、この指示を入れて、正解にしたい単語を下に貼り付けるようにしましょう。
(5)この指示がないと、問題ごとに正解が表示されてしまう可能性があります。テスト形式で使うために、答えは最後にまとめてチェックできるようにしておきましょう。
谷口 恵子
AI活用コミュニティ代表