加速スゴすぎ! BEVやハイブリッド車の「スタートダッシュ」なぜ速い? 一気に爆速で走れるワケとは
BEVのスタートダッシュには敵わない!?
街を走るクルマではハイブリッド車が多くを占めるようになったほか、BEV(バッテリーEV/電気自動車)を見かける機会が増えました。
そしてBEVやハイブリッド車の「EVモード」は、スタートダッシュが速いと言われていますが、なぜ加速性能が良いのでしょうか。
クルマ好きの人ならYouTubeなどで「0〜400mフェラーリorポルシェ VS テスラ」といった動画を見たことがあるかもしれません。
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ハイパワーエンジンを搭載したスーパーカーを、BEV(このときはテスラ モデルS)がスタート直後から引き離していくという内容ですが、やはりスタート直後の加速に関しては、BEVやEVモードに軍配が上がるようです。
速さの秘訣は、エンジン搭載車とBEVの構造の違いによるところが大きいと言われています。
エンジンは通常、出力を得るためには一定の回転数が必要ですし、最高出力などが出せるまで回転数を上げて徐々にパワーを出す仕組みになっています。
また速度が上がるにつれてトランスミッションでのギアチェンジが必要で、ギアを変えるたびに回転数は一旦落ちます。つまりパワーの出方としては山あり谷ありのような波形でパワーが出力されるのです。
一方で、BEVやハイブリッド車に搭載される駆動用モーターは、どの回転域でも最高出力(仕事量)が一定して出せる構造になっています。
またBEVはエンジンがないので振動や騒音もなく、ダイレクトに動力が伝わります。結果として、スタート直後はモーターの特性で一気に加速できるというわけです。
では、中古BEVではどうなのでしょうか。やはり加速性能もバッテリーと同じく劣化するのでしょうか。
実のところ、中古であってもBEVやハイブリッドのEVモードはスタートダッシュが速いのは変わりません。
ただし、やはり経年劣化によってバッテリー性能が下がるのは仕方のないこと。出力が一定である以上、使用する電力が同じなので、劣化すれば蓄電量も減りやすくなるのですが、徐々に性能低下するので、ある日突然性能が落ちるといった心配はないそうです。
昨今のBEVやハイブリッド車で駆動用に使用されているバッテリーはリチウムイオンが主力ですが、その寿命は「8年または走行16万km」とされています。
また最近は回収された使用済みバッテリーから「モジュール」と呼ばれる単電池の集合体を選別し、状態の良いモジュールを組み合わせ、安価な「リユース・バッテリー」として再製品化することも増えました。
そのため、以前ほどメインバッテリー交換の敷居は高くなくなったようです。
BEVは2種類のバッテリーを搭載している!?
それでもBEVやハイブリッドにとってバッテリーは生命線です。
エンジン搭載車はスタートこそバッテリーの電力を必要とするものの、エンジンが始動してしまえば、オルタネーターも搭載されているので何とかなります。
たとえバッテリーが上がっても、始動に必要な電力をジャンプブースターなどで補えば走らせることができます。
しかし、その後も電力を必要とするBEVは一定量まで蓄電しない限り「電欠状態」となり、まったく動けなくなることもあります。
中古BEVを取り扱う販売店スタッフのM氏に話を聞いてみました。
「そこがBEVの弱点です。しかも数年前に生産されたBEVの場合は、長距離用ではなく航続可能距離が短い(蓄電量が少ない)メインバッテリーを搭載することが多いので、電欠には注意が必要です。
出かける前に充電スポットをチェックしておくなど、電力を継ぎ足せる場所を考慮して走行する必要があるでしょう」
しかし中古BEVの場合は、駆動用のメインバッテリーよりも、実は電装系などを動かす「補機バッテリー」の状態のほうが重要だとM氏は言います。
「BEVやハイブリッド車には、エンジン搭載車と同様の12Vバッテリーが搭載されており、車内装備やエアコン、ヘッドライト、ナビなどの電装系を作動させます。
通常はリアシート下など非常に目立たない場所に配置されていたりするので忘れがちですが、補機バッテリーが劣化してバッテリー上がりになってしまうと、そもそもスタートすらできなくなってしまうのです」(中古BEV販売店のスタッフ M氏)
実際、BEVが故障したかと思ったら補機バッテリーが上がっていたというケースが多いといいます。
中古BEVやハイブリッド車を購入する場合、その車両が何年落ちなのか、メインバッテリーの交換がされているかどうかを確認するとともに、補機バッテリーを新品に交換すると良いでしょう。
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BEVのスタートダッシュ、エンジンとは違うモーター特有の加速感は、ガソリン車では味わえない異次元ともいえるもので、非常に面白いと思います。
未経験という人は、ぜひともBEVやハイブリッド車の試乗などで、安全に配慮したうえでスタートダッシュを体験してみてはいかがでしょうか。